熊本県議が、夏の高校野球選手権大会で「観戦中に喫煙していた」ことを朝のワイドショーで知った。高校のロゴ入りピンク色Tシャツを着た県議は観客席で足を組み、加熱式タバコを吸っている。それをまともに撮影されていた。
県議の目の前を、ユニフォームを着た学生が通っているのに、それでも堂々と喫煙。そんなシーンまで、テレビに映し出された。
新聞によると、県議は事実だと認め、「心の底から申し訳ないと思っている」、さらに「禁煙という認識はあったが、試合に熱中して、つい(タバコ)スイッチを入れた」と言っている。
缶酎ハイまで持ち込んで飲んでいた、とか、学校関係者が注意したのに聞き入れなかったという情報も流れた。
この県議、ありえん! 言語道断! 弁解の余地なし!
…と、10日の土曜日までなら、私も断罪した。
だが、11日の日曜日以降、微妙に考え方が変わった。
うちの職場に超級ヘビスモがいるが、コヤツが仕事中にタバコを吸いにいくたび、苦々しく思っていた。
私は喫煙に関しては、あくまで「本人の自由」、だけど「本音を言えば、タバコなどこの世になくてよし」、そして「少なくとも絶対的に煙を浴びたくない」。
だが、11日の日曜日、諸事情があって、昼も夜もずいぶんと濃い味付けの食事をせざるを得なかった。そのせいで、この日はやたらとのどが渇いて仕方がなかったのである。ふだん減塩しているし、もともと塩辛いものは苦手ということもあるかもしれないが、とにかく頻繁にお茶を飲んだ。飲むたび思った。スモーカーが禁煙を課されたら、今の私ののどの渇き以上の苦痛だろうな、と。そうしたら、仕事中の喫煙も、禁止場所での喫煙も、かつてのように一方的に責める気がなんだかトーンダウンしてしまったのである。
禁煙って、相当つらいんだろうな…… なんて、笑える。私も相当単純。
とはいえ、この県議のしたことは、決してよろしくない。
「つい、スイッチを入れた」なんて、通りゃしない。学校関係者からの注意があったなら、なおのことまずい。
禁煙がつらいことは、ちょっぴり同情する。だけど、喫煙場所に行って吸うだけのことだったのにな。
不用意なこと、しちゃったね、県議さん。
いらだちや 怒りが鎮まる それも年
鞠子