ラジオで、県内の中学校や高校をまわり、命の大切さを教えているカウンセラーが話していた。
「なぜ生まれたのか、なぜ生きているのか、そんなことを考えてはいけない。答えがないんだから、考えたって意味がない」
なにげに聴いていただけで、前後はわからないのだが、これ、どうなのか。
意味がないことなんだろうか。
答えがないことほど、むしろ考えてみる······私はそう思う。
それができるのは若いうちで、年とともに、物理的にも心理的にもそのような余裕はなくなる。
答えがないことを考えすぎて、自ら命を断つ。カウンセラーは、そういう若者をたくさん見てきたのだろう。考えるのはいいが、その結果、死んでしまっては元もこもない。それを危惧してのカウンセラー発言だと思うが、それでも「考えていいのは答えのあることだけ」では、大切なことが欠ける気がする。
少なくとも、私は中高時代、答えのないことをあれこれ考えざるを得ない境遇にあった。でも、それが今につながっていると思えることがいっぱいある。
それよりなにより、
世の中、「答えのないことだらけ」ではないか。
何年か 後は笑える かもしれぬ
鞠子