スイミングの更衣室で落とした左目のコンタクトレンズ。初動捜査のミスにより発見できず、日が経つほど発見の可能性は薄れ、結局見つからないまま今に至っている。
初動捜査に加わってくれた捜査員(?)の皆さんが、口々に「絶対、どこかにあるはずよねえ」「次の日も、探したのよ」「今でも、つい、床を見ちゃうわ」etc.ありがたいことを言ってくださり、とても感謝している。
でも私はあきらめた。あのコンタクトレンズは「異次元の世界に行ったのだ」、と。
…ということで、とうとう、眼科へ…
最初に眼底検査をした医師:「まだコンタクトで頑張っているんですか。家のなかでは必要ないでしょう」
鞠:「ええ、家のなかではもともと裸眼です。先生のおっしゃる通り、コンタクトレンズを装着した生活は、いろんな意味で頑張りを要求されます」
医師:「……(あきれ顔で、無言)」
次、併設のコンタクトセンター技師:「え? 紛失した? 珍しい。鞠子さん、今まで紛失はなかったですよねえ。どこでなくしたんですか?」
鞠:「スイミングの更衣室です」
技師:「出てこなかったんですか?」
鞠「そのときいた人、みんな探してくれたんですが、どれだけ探しても出てきませんでした」
技師:「おかしいですねえ」
鞠:「異次元の世界に入り込んだのだと思います」
技師:「(急に真剣な表情になり)そんなことは絶対ありません! どこかに必ずあります!」
…知ってますって、そんなこと。なんて冗談のわからぬヤカラ。必死に自分をなだめたのに、またいらだちがぶり返してしまったではないか。
よし、今日、もう一回、探してやる!
…って、レンズ購入しちゃってから意味ないし。だいたい、紛失してからもう1週間も経っているし。
この世界 真相不明な ことばかり
鞠子