久しぶりに、笑える夢を見た。
新型コロナのワクチン、解凍したから、早く届けなければならなかった。
ーーって、この段階で、誰がどこでどうやって解凍したのかは、全く不明。私は、口が切られたアンプルを握っていたのである。
そして私は、何の迷いもなくアンプルからワクチンを桶にあけた。
ーーって、この桶、我が家で使っている100均で買った薄紫のヤツなんだけど。
私はこの桶を抱え、大規模接種会場に無事到着した。
更衣室で桶を床に置いた。
したらば、桶の底に、黒い砂状のものが沈んでいるではないか!
マズい。桶が汚れていたのか。これじゃあワクチン、使えないではないか!
冷や汗がどっと吹き出した。大事なワクチン、どうしよう···
ーーって、桶にあけた段階で、もう使えないんだけど。
気持ちがあせる。とにかく、着替えなければ間に合わない。着替えながら対応策を考えよう···と思い、ロッカーから白衣を取り出した。それを羽織ったところで、スーツ姿のキツそうな女性がさっそうと現れた。
「あ、あなた、打ち手?」
「いえ、私、資格がないので」
「そうなのね。じゃあ雑用、頼めるわね」
「は、はいっ····」
ーー私は大規模接種会場のボランティアだったらしい。
桶の中、黒い砂もどきが沈んだワクチンをどうしたのか、夢の中ではわからなかった。
ついでに、私がどんな雑用をしたのかも、明らかにはならなかった。
夢うつつやっぱりワクチン打ってない
鞠子