今秋、仕事で大きなイベントが入っている。
これ、数年前に決定した。
決定したとき、ガックシ落ち込んだ。
絶対、やりたくない仕事なのである。物理的にも精神的にもめちゃ大変なのに、全く意義を感じない。それどころか、マイナスな要因しか思いつかない。それなのに、一部の「いいカッコしたいヤツ」と「派手なことが好きなヤツ」の発案で決まってしまった。おまけに今や、諸事情で、発案者たちはいなくなっている。
嫌で嫌で仕方がない。とはいえ、どうにも避けられぬ。避ける方法は2つのみ。自分が病気になって休職すること。あるいは、大天災が起きること。これしかない。
……だがしかし……
新型コロナという「全く想定外のトラブル」で状況は一変。
避けられはしないが、飛ぶべきハードルはうんと低くなった。なかでも一番やりたくなかった類のモロモロは、すべて消えてなくなった。
まさかのコロナサマサマ。まさかこんな理由で、「念ずれば花開く」とは……
……だがしかし……
来し方を振り返ってみると、私って意外と念ずれば花、開いている。
仕事ぶりがどうにも気に入らないオンナ後輩たちは、私の預かり知らぬ理由でことごとく退職。
許せぬ客様たちも、私の預かり知らぬ理由で、多くが切れていった。
普通の「念ずれば花開く」は、懸命に努力すれば夢や希望がかなうという前向きなイメージであり、開くのは「美しい花」だが、私の場合は違う。
毒々しい花ばっかり咲いている。
悪魔か、はては厄病神か。
…かもしれない…
念ずれば開く花たち黒い花
鞠子