高校の時の同期生が、政治の世界に身を投じようとしていることが判明した。
今頃、か、今だからこそ、か。
これまで全く関わって来なかった世界のはず。そこにこれから挑戦する。
同期生といっても、顔と名前を知っているだけ。400人以上いる同期生のなかで、学力面で言えば私などてんで手の届かない上位クラスの人だった。ただ友だちのその友だちということで、武勇伝など、いろいろ聞いた。高校時代から「ただ者ではない」人ではあった。
だから、政治の世界に入ろうとすること自体、それほど驚くようなことではない。むしろ、「今から新しいことにチャレンジする」その心意気が驚きなのだ。
今から新しいことをやってみろ――そう言われたら、私には多大な苦痛が伴う。
私はとにかく、今の無難な生活を守ることに汲々としている
生きてきた年月は同じなのである。それも、高校の3年間は同じ校舎内で過ごした。同じ先生の授業を受けている可能性も高い。それなのになぜこうもメンタル面が違ってしまうのか。
持って生まれた性質が違うから。生きてきた年月は同じでも、その中身が違うから。
つまり、これからの5年、10年、20年も同じで、その後のメンタル面を大きく変える、ということだ。
…といって、何も変わらないんだけど。
私など、やろうと思えばなんでもやれる状況にあるくせに。
若いころならこの同期生の行動を見て奮い立ったかもしれない。だが今や、変えようという気力が、どうにも起こってこない。すごいねえ、と感嘆して見ているだけ。
かの女〈ひと〉の1日48時間
鞠子
···久しぶりに作句〈さく〉ってみた···