暴力のニオイ充満の表題なのに、お笑い? | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

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今日、ちょっぴり悲しかったこと…

本日の映画鑑賞『脱獄広島殺人囚』。

 

私の好みではない。それでも観るとしたら、大森南朋さまが出演している作品のみ。ところが、偶然、観ることになってしまい、なおかつ最後まで観てしまった。

 

主人公・植田(←松方弘樹)が、とにかくめげずに脱獄を繰り返すのである。

無罪の罪で捕らわれたから……ではない。れっきとした「殺人犯」なのである。それも、同情の余地がなさそな麻薬がらみの強盗殺人。

つまり1、いかにして懲りずに脱獄するか、そのめげない精神力の強さがテーマなのである。

つまり2、観ようによっては相当コミカルなのである。

つまり3、それなのに、松方弘樹や渡瀬恒彦、梅宮辰夫や神山繁、若山富三郎もいれば志賀勝もいる。出演陣を「どういう順に並べたらいいかわからない」くらい、超豪華版キャストなのである。

 

やっとの思いで脱獄したのに、映画館で得意げに銃を見せびらかしてまた逮捕、とか、闇で儲けた金で遊郭に行き、他の客とケンカしてまた逮捕、とか、自分でも「俺、なんちゅうアホなんや」とつぶやくほど、バカバカしいのである。

また、脱獄シーンも、穴を掘ったはいいが、腰から下がどうにも抜けないとか。

笑わざるを得ない。

一緒に脱獄するメンバーの中に西村晃を見つけ、「あっ!黄門様も……」という余計な笑いまで付加された。

 

こんな言い方をしたら叱られそうだけど、この作品、一種の「脱獄コント」。

それを苦み走った強面ばかりが真剣に演じているから笑えちゃった。

 

1974年製作・中島貞夫監督の作品です。