職場にいたら、客様S社長がいらしった。
この方、いろんな意味で苦手。その理由の一つが、「大きな声でしゃべる」ならびに「激してくるとますます声が大きくなる」ことなのだ。
S社長は仕事柄、声が大きいことが必須なので仕方がない。単なる私の好き嫌いの問題だ。
しかし、今のこのご時世、大きな声でしゃべられるのはとても怖い。
予感は悪い方へ悪い方へとつながっていく。
特に今日など、コロナ禍以来、初めて対面したので、テキにしてみたら話したいこといっぱいだろう。こちらも相手が客様である以上、話を聞かなければならない。
…展開、予想通り。しゃべり続けるS社長。そのうち、マスクが人為的にアゴまで下げられた。
登場人物:S社長・上司U・後輩S・そして私。
舞台状況:S社長、カウンターに肘をついた立ち姿勢。上司U・後輩Sは、カウンターの手前で直立姿勢。私はカウンターの下に着席。
…ってつまり、私が一番、マイクロ飛沫を頭から浴びそうなシチュエーションじゃない?
どうにもいたたまれなくなり、行きたくないお手洗いに行くふりをして逃げ出してしまった。
S社長が帰った後、逃げだしたことを謝った上で、『飛沫防止パーテーション』を設置してほしい旨、訴えてみた。
異論はないものの、カウンターのつくりからして、ほんの一時しのぎみたいなものしか置けそうにない。
コロナに対する価値観はさまざまであること、認めるが、力関係で上にある人が「たいして気にしていない」と、ものすごくやっかいだ。
たいして気にしていないから、人に対して気遣いもしない。そこに悪気など全くないから、なおのことやっかいだ。
最後の手段、私がフルフェイスのヘルメットみたいなものをかぶるしかないか?