コロナ禍の渦中、初めて知ったことの2つ目はこれ。
「絶妙な、かつ危ういバランス」
「ついこの前まで」の普通の暮らし。あれは、絶妙な、かつ危ういバランスの上で成り立っていたことを思い知った。
今朝、テレビで見た医療用マスクをつくっている工場。ついこの前までの1日の生産量の200倍なんだそうだ。
一般の人からの注文までくる、断ると罵倒される、人は足らない、注文はどんどんくる、社員は疲労困憊…完全にバランスが崩れてしまっている。
一方、自宅待機を余儀なくされる人や職を失う人が増え、こちらもバランス崩壊。
かたや休みたくても休めない人、命がけで仕事をしなければならない人もいて、やっぱりバランス崩壊。
重篤な感染者を治療する病院はキャパオーバーなのに、町の耳鼻科や歯科などは、感染を恐れて患者が減少しているという、なんとも皮肉なバランス崩壊。
原油価格がマイナス。こちらも完全にバランスが崩れた。
買われないから保存する場所がない、そんなこと、初めて知った。
極薄ガラスでできたシャンパンタワーを想像した。
ついこの前までの普通の暮らしは、シャンパンタワーの上にグラグラしながら成り立っていたのだ。
なぜ頑丈なコンクリ製にしなかったのか、それは無理でも、なぜせめて厚手の陶器にしなかったのか、それ以前に、なぜシャンパンタワーだと気づかなかったのか。
いまさら、もう遅い。