え、こんなときに、誰?
···庭師のおじいさんだった。
このおじいさん、自由気ままに庭師仕事をやっている。定期的に我が家のといめんの家に手入れにいらっしゃるので、ついでに裏庭の木を切ってもらっているのだ。
といめん家は、松やツツジやアカメがあり、素人剪定はムリ。対する我が家は、どこからも見えない庭なので、「隣家に迷惑さえかけねばよし」。ただし背が高いし、切った枝の処置に困るから、破格の値段でお願いしている。
本日もヒマな私は2階で雑巾がけなんかしながら、おじいさんの働きぶりをちょこちょこ見ていた。
シートを敷き、はしごに登り、ラジオをかけながら、ハサミを動かすおじいさん。
なんか楽しそう。
好きなんだろうな、この仕事。
それに···
これまでも、1人で、あるいは数人で、黙々と木々に向き合ってきたわけで、かつて、全ての仕事が「こんな感じ」だった時代は、飛沫感染もへったくれもなかったんだろうな、と考えさせられた。
ちなみにこのおじいさん、奥さんをなくされて独身。
相当な資産家。
初めてといめんの奥さんに紹介を頼んだとき、「鞠ちゃん、どうやね」と勧められた。