今日は、午後から客様たち社長数人が集まり会議。
私が仕事をしている隣の会議室にて。最初は穏やかに議事が進行していたのだが、途中から、K社長の語調が何やら荒々しくなってきた。
むふふ、また、始まったみたい…
K社長。
真面目だし、一生懸命だし、とってもいい人なのだ。だが、いったんスイッチが入ると熱くなる。熱くなりすぎる。伝えたいことが先走って激する。結果、「何を話してんだかさっぱりわからない」という状況に必ず陥ってしまうのだ。
このことを、みんな知っている。なのでK社長が熱くなり始めたことを察知すると、みな、耳をぱたりと閉じてしまう。そして「嵐よ、早く去れ」とばかり、他事をし始める。
明らかに「また始まったか。ウザイです。早く黙ってください」と顔に出す人もいる。それどころか、席を外してしまう人までいる。
私は人間・K社長に好感を持っているので、激そうが荒れようが、昔は必死に聞いていた。だけどこのごろは、好意的な私ですらそれが大変しんどくなってきた。
幸い、今は私の担当組織とK社長は関わりがないので、こうして「荒れ狂う隣の会議室」を野次馬みたいに立ち聞きして笑っていられるのだが。
巷では「話し方教室」や「スピーチの仕方教室」なるものが行われ、書店に行けば「心をつかむ話し方」「あなたもお話美人に」なる本がいっぱいある。
私はこういうマニュアルセミナーや本の類をハナから否定する人だが、K社長を見ていると、その否定が揺らぐ。
K社長、もっと普通に話せたら、人間性が輝くのに。だからこの人に限っては、テクニックも必要なのではないか、と思ってしまうからだ。
もちろん、K社長自らが「オレの話し方では、人に物事が伝わらないのではないか」と疑問を持つことが大前提だ。
だがどうやら、そのような疑問は持ち合わせていないような。
「オレがこれだけ言ったのに、社員は全然わかっとらんやないか!」と激昂することもしばしばあるらしいから。(←奥様談)
K社長は損をしている。
私は残念な気がしてならない。