【2019.3.6 ファイヤー・デー】
数日前、職場の火災報知機が大音響で鳴った。
火もなければ煙もない。完全なる誤作動。だがしかし、とめてもしばらくするとまた鳴り響く…の繰り返し。
報知機の主電源を落とすより、応急処置の方法はなかった。
今日、ようやく業者さん、来る。
高所にある幅10センチもないような鉄骨にまたがって『シルク・ド・ソレイユ』ばりの格好のまま、修理・部品交換をしている。
そうしてあちこちにある報知機を1つ1つ点検し、ようやく作業終了。最後の確認が始まった。何やら長いものを持ってきて、報知機1つ1つに近づけたり離したりしている。
私があんまり興味シンシンでながめていたからか、業者のおにいさん、説明してくれた。
長い器具の先からは、アルコールが熱せられて発した細い煙が出ているのだそうだ。それに反応するかどうか、チェックする。
また、ガスコンロの近くにある報知機は、先にお椀のようなものがついた器具でチェックする。
「この容器のなかにはハッキンカイロが入っていて、熱くなるんですよ。コンロ付近は、煙よりまず熱に反応するか、みるんです」
なるほど、なるほど。
アナログな器具だが、これが一番確実なのかもしれないな。
・・・ということで、最終チェックじゅう、私はおにいさんについて歩いていた。
午後、外出した際、駐車場の前にある消防署の訓練風景が見えた。
ビルを模してつくられた訓練施設の中は、煙でモウモウになっている。
消防士2名、屋根に登り、窓からモウモウの中に入ろうとするが、なにしろ室内は全く見えない。煙は消防士2人も見えなくしてしまうほどの勢いだ。
と次の瞬間、下から怒号が…
「人命救助が第一っ! まず放水!」
しばらく目が離せなかった。
訓練自体が命がけ、みたいで。『シカゴ・ファイア』で観るような、危険だけどスマートでかっこいい救助とはわけが違う。実際の現場は、もっともっと緊迫しているはずだ。
火はなくてはならないが、一瞬にして凶器に変わる。
その激変をくいとめるべく活躍する器具や人や。
なんだかとても感動した。
今日は一日、ファイヤーデーだった。