先週末、とあるコンサートに行った。
歌うのは、地元出身で、のきなみ結構な賞をとられた知る人ぞ知るテノールさんなのである。
私は何年か前、この人の歌声を第九のソリストとして聴いた。
「素晴らしい声」といううわさだったのですごく期待したのだが、「ソロが浮いている」感が否めなかった。あくまで主役は地元の素人さんたちの合唱なんだから、その人たちを引き立てるよう歌ってほしいと思ってしまった。
だがしかし、ソロコンサートなら全然違うかも…今回は、そう期待してチケットを購入した。
それから期待がもう一つ。
会場が、100席程度の小さなクラシック音楽専用ホール。これまで行く機会に恵まれなかったため、このホールを体験したい思いもあった。
…で、その結果は…
…すごく疲れた(--;)
好き嫌いの問題か。あるいはこんなことを望むのは酷なのか。
「キャパオーバーの選曲・声量」にどっと疲れたのである。
すべてが「強烈な曲」ばかり。愛する人を失って悲しみにくれる…という内容の曲もあったのだが、なんだか「これから戦地に行って参ります!敬礼!」と歌っているように聴こえた。
高音で大声量。ホールがホールだけに、ムダに響く。響き過ぎて太く感じる。
声量を落としてくれたら、もっと甘く響きが伝わるのに。現に話し声は、とっても温かくて穏やかに響いていたのである。
そんなに歌ってくれなくても、高い音が出ること、「わかってます!」と言いたくなってしまった。
その上、伴奏者が片方の肩に寄せた髪をしきりと気にするのも、目ざわりで仕方がなかった。
ルックスもなかなか素敵な方たちなので、帰り、女性の聴衆に取り囲まれていたが、私は一刻も早く会場を出たかった。
やっぱりテノールは中嶋克彦さんイチオシ。
気さくな人柄がそのまま声に生きている。
…ははは、やっぱり好き嫌いの問題か。