今日は午前中、町内役員の仕事。
後期の町費集金に班内の家々を訪問した。
そのうちの一軒H家を訪れたのが、昼12時少し前。
ベルを押しても出てこない。
80過ぎたおばあちゃんが一人で住んでいる大きな家。
不安になった。
歩行が怪しいのである。こんな雨天時、出掛けるわけがない。
いや、もしかしたら、トイレかもしれない。ならばベルがなっても、すぐに出てこれないはずだ。
…そう考え、H家の隣の家を先に回ることにした。
そのあと、再度H家へ。
でもやっぱり応答がない。
電話もかけてみたが、鳴ってるだけで、でない。
…嫌な予感がする。
ドアは、鍵がかかってない。
テレビがつけっぱなしになっている。
「Hさん!Hさん!」と大声でよんでも返事がない。
私の大声に驚いて、隣家の人々もやってきた。
おかしい、絶対おかしい。
もう、やむを得ない。
私が家に入った。
一部屋ずつ開けた。
でもいない。
焦って次々開けた。
…ようやく見つけた。
Hおばあちゃん、2階の部屋で、テレビつけっぱのまま、寝てたのである。
その姿を見たとき、一瞬、病んだ母の寝ている姿がフラッシュバックした。
無意識のうちに寝ているHさんをいきなり抱きしめて、号泣してしまった。
Hさんは大柄で、30㎏しかなかった母とは似ても似つかない。
だけど、抱きしめたとき、確かに母と同じ感触がした。
…私の狂乱に、呆気に取られるHおばあちゃんと近所の人々。
…以後1日中、ほうけていた。
なんでこんな行動をとったのか、自分でもわからない。
だが、今も今日のことを思うと涙があふれてくる。
逝った母今日は私のすぐそばに
鞠子