文学講座のために読まねばならぬ課題本を、一応、読んでしまったので、しばらくの間、好きな作品を読める。
・・・とはいえ、講座中に紹介された本のなかで、面白そうなのを選んでいるのだが。
ということで、ただいま、携帯用は丸谷才一『たった一人の反乱』。スイミングサウナ用は、志賀直哉『暗夜行路』。
『たった…』は昭和47年発行、『暗夜…』に至っては、大正11年発行という古い作品だ。
初版年を聞いただけで、古くていかめしいニオイがしないか?
私など、少なくとも『暗夜…』は道徳的で「清く正しく苦悩する人々」が登場するものと思っていた。
講座で紹介された冒頭の「序詞」は、主人公・時任謙作が幼いころ、家に訪ねてきた老人を直観的に「嫌」だと感じ、実はその人が「祖父」であり、さらに実は「実の父だった」という悲劇を十分予感させる見事な書き出しで、これに惹かれて読むことにしたのだが…
どちらも長編で、まだ途中までしか読んでいない。
だが、『たった…』も『暗夜…』も、私にとってはまったく「仰天モノ」で、完全に予想外の内容だった。
『暗夜…』は今のところ、「性衝動をどうにも抑えられない若者の苦悩」。
『たった…』は妻に先立たれた中年男が娘みたいな年頃のモデルとつきあっちゃう「チョイ悪オヤジ」もの。
この時代に書かれてこの内容!?
もう意外以外(←シャレになっている)
のなんでもない。
エクステンションカレッジでは三島由紀夫の『仮面の告白』を学んでいるのだが、これもいわゆる「性」にまつわる話で、指導のH教授など、臆面もなく「射精」だの「勃起」だの「セックス」だのとおっしゃるため(←ここに書くのも私は気が引けるのに)、どこを見てればいいのかわかんないこともしょっちゅう。
「文学」なんてお高くとまっているものではなく、結局、「コレ」なしには語れない、むしろ「コレ」が中心なわけで。
政治家が「不倫問題」なんかで選手生命を断たれるのを見て、「バカだなあ」と嘲笑していたが、考えてみれば、それもあたりまえだったのだ。
古今東西、老いも若きも「コレ」なんだ(@ ̄□ ̄@;)!!
『たった…』と『暗夜…』で、私は妙に納得した。
文庫本カバーかけなきゃマズイかも
鞠子