本日の映画鑑賞は、『太平洋奇跡の作戦 キスカ』。
観る予定になかったが、午前中に受講した文学講座で、ドナルド・キーン氏が、アッツ島・キスカ島作戦に参戦した…と聴いたので、思わず観に行ってしまった。
孤立無援となったキスカ島にいる日本兵5千人ほどを救出する一部始終が描かれる。
ほぼ史実なのだそうだ。
反戦映画ではなく、むしろ、極限における「人間の善」に重きが置かれている。
キスカにいる兵も救出に行く兵も、上官から平の兵まで「正義感にあふれ、勇気ある者たちが、かたい友情で結ばれて一致団結」する。
救出作戦を仕切る大村少将がまた、絵に描いたような「冷静沈着な大物」。
昭和40年の作品。
大村を演じるのは三船敏郎。
以下、当時のイケメン総動員。
それも楽しいが、円谷英二の特撮も、古さを感じさせない面白さだった。
ところで、さっき、
「反戦映画ではない」とさらりと書いたが、よくよく&冷静になって考えると、根底から「戦争のバカバカしさ」が見えてくるではないか。
だって、
駆逐艦やら潜水艦を何艦も使ってキスカに大勢の兵を運び、燃料やら武器やら食料やらつぎ込んだ挙げ句、さらに燃料やら武器やら食料やら、その上、命までかけて救出作戦を行うのである。
初めからキスカに行かなければ、こんな二度手間はなかった。
…そう考え、
数々の苦難を乗りこえて成功する結末にいったんは感動し、そのあとすぐ、「ああ、やっぱり戦争はダメ。双方傷つくばかりで決して効率的じゃない」と再認識させられた。
現実はもっと悲惨で陰惨で
鞠子