ナミダのクッキングNo.2318 | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

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今日、ちょっぴり悲しかったこと…

本日の映画鑑賞は『ダブルミンツ』。
主役は淵上泰史さん。

彼がまだ無名だったころに、握手してもらったことがある。
大森南朋サマ(まあ、ひさしぶりに南朋サマ…)の芝居を観に行った吉祥寺シアターにて。
事務所の後輩であるChopさんと淵上さんもいらしてて、思わず声をかけてしまった。
お二人ともとっても気さくで、ちょっとだけお話もできたし握手もしてもらえたし…
以来、2人は要チェック俳優。
その淵上さんが、今回、主役なのでアル。

高校の同級生のイチカワミツオ・2名(淵上さん演ずる壱河光夫と田中俊介さん演ずる市川光央…ややこしい(--;))。
光央は光夫に陰湿ないじめをする。(いわゆる、性的な、ね)
そうして光央は光夫を「奴隷」のように従えるのである。
だが、光夫は光央を恐れるのではなく、そうされることに「はまりこんでいく」。

大人になり、ヤクザの末端となった光央は、はずみで女を殺してしまい、その処理を光夫にすがったことから、主従関係が微妙に崩れ、ときに逆転し始める。
そして2人はどんどん暗い方向に向かって堕ちていってしまう…

「BL系の映画」、とも言うらしい。
今さら、そんなこと、私は一向に驚きゃしない。
2人が愛し合っているのか、実は寂しい者同士の共依存関係なのか、その両方なのか。
お互いの心中は単純ではない。
そして、もう、どうしようもない。どうあがいても、どうしようもないのだ。
このあたりの人間心理、ものすごく鋭いところを突いていると思う。

だからからこそ、正直、物足りなかった。

この2人のミツオに、「どうしようもない暗闇」が見えなかったのである。
むしろ、演技という技術で懸命にカバーした「表面的な暗闇」に見えてしまったのである。

傲慢を承知で言えば、2人、「力不足」と感じた。

脚本もしかり。

ケガをした光央の代わりに光夫が危ない仕事をするシーンがあるのだが、その途中、通行人の女性とぶつかった折、彼女が持っていた桃が散乱してしまった。
それを拾い、彼女にあやまったあと、なぜか光夫も桃を買う。

今、「なぜか」と書いたが、実はその段階で、ドシロートの私にも展開が読めてしまった。
桃という果物が持つ芳香・手触り・柔らかさ。
きっと光夫はエロスを感じさせる重要な場面で、果汁を滴らせながら桃を丸かじりするに違いない、と。
 
このようなことを私ごときに想像させることが、すでに脚本が陳腐・平凡だということではないか。
もう少し、主役の2人を生かす脚本ができなかったのだろうか。

…などと、自分勝手な厳しい感想にて、失礼しました。

でも淵上さん、これからもチェックします。
どうぞ、もっともっといろんな役に挑戦してください。
 
 
 
 
 
心中の闇は言葉で表せぬ
鞠子