うちの職場の目の前に、今、消防署が建ちつつある。
着工の前に建築会社や消防署の人があいさつにみえ、そのとき、完成図なんかも見せてもらった。
訓練施設もくっついたような、大きなものができるようだ。
工事の様子が、3Fの私の席からすごくよく見えるのである。
巨大なクレーンの先に、コンクリートの塊や、板やら杭やらが、ぶらりぶらりと揺れながら持ち上げられている。
その下で、職人さんたちが、右へ左へ動いている。
その様子を見ていて、初めて気がついた。
建築現場というのは、離れて見ている限りでは、意外と「優雅」なものなのだ、ということに。
そりゃそうだ。
骨組の状態で背ばかり高いわけだから、走って作業するわけがない。
建築資材を高速でつりあげるわけがない。
その速度の感じが、なんとなく「癒される速度」なのだ。
実際の現場は風が吹いても雨が降っても作業しているし、高所での仕事だから大変に違いないが、無責任な見物人は、ガラス越しにじっと眺めて、背伸びなんかして、楽しませてもらっている。
運ぶ人人打つ人白いヘルメット
鞠子