本日観た映画は『スポットライト 世紀のスクープ』。
アメリカの新聞「The Boston Globe」の記者たちのリアルを、実話を元に描いた作品だ。
彼らが追うのは神父による子どもへの性的虐待事件。
調べるうちに、膨大な加害者神父と子ども被害者が存在することがわかってくる。
教会なるところ、ただでさえ不可侵領域。
実は枢機卿までその事実を知っていて、教会ぐるみで隠蔽していた、というんだからこれを暴けば大・大スクープに違いない。
しかし舞台はカトリック系の住民が多いボストンであり、こんなところで教会の悪を明るみに出したら、まわりは敵だらけになってしまう。
…という内容はさておき、私は別のことに感動した。
それは「記者たちのアクティブさとタフさ」。
他社より早く、他社のつかんでいないスクープをものにしたい気持ちはわからなくもない。
しかし、取材先からの罵倒や社内でのけんか腰の意見対立などものともせず、食事もしたかしないか、睡眠もとったかとらないかわからないような目に遭いながら、さらには命の危険までもあり得るような状態で、ここまで仕事に没頭できるものなのか。
そこまでさせる原動力は何なのか。
それは「真実を伝える」とか「あふれる正義感」とか、そんなきれいごとには見えなかった。
理屈じゃ説明できないジャーナリスト魂に突き動かされている、みたいな。
私には、絶対にあり得ぬ記者たちの日常。
この取材のために、文字通り「全力疾走する」姿は、仕事に倦んでる私には、驚き以外の何でもなかった。
真剣になればなるほど苦悩増す 鞠子