ナミダのクッキング№1888 | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

今日、ちょっぴり悲しかったこと…

朝方、スカパーで『鬼平犯科帳』を観ていたのだが、鬼平こと長谷川平蔵が、ラストシーンで盗賊のカシラに向かって恐ろしいことを言い放った。

「そのツラじゃあ、女にふられてばかりだったろうな」

このカシラ、大店に賊に入って金子を盗むだけでは飽き足らず、そこのおかみさんをレイプするのである。
そしてそのまま殺さないのである。
大店の方は、「恥」と思い、被害を届けない。
そこにつけこんで、この盗賊はまた同じ店を狙う。そしておかみさんをなぶりものにする。

そんな盗賊を一網打尽にし、カシラを捕らえた際、鬼平が「そのツラじゃあ…」と言い放ったのだ。

…しかしこの言葉、明らかに「パワハラ」いや、「モラハラ」じゃないか。

この前、仕事で、新聞社に勤めるYさんに会った。
いろいろ雑談しているときに、「古い古い新聞記事」の話になった。
今では「絶対たたかれる」ようなこと、明らかなる差別用語が平気で載っているのだそうだ。
しかし、それらの記事を今読むと、当時の状況がよくわかり、結構、味わいがあったりする、と言う。
さらには、「今のように、あたりさわりなく、気を遣いすぎるくらい遣って書かれた記事が、将来、どう読まれるのか、疑問です」と。

同じ言葉でも、傷つく人と傷つかない人がいる。
同じ言葉でも、それを言った相手によって、受けるダメージが違う。
だから言葉の問題は非常に難しいと思うが、「発信する側も受ける側も、おおらかなおとな」でないとギスギスするばかりだ。
そして、「傷つけてしまった」「傷つけられた」という経験を素直に省みる謙虚さを持ち合わせていることも必要だ。

…と、かくありたく思うのだが。



なにげない言葉をそっと反芻し      鞠子