町内の総会に、Sという市会議員が来た。
この人、独身時代はうちの町内に住んでいた。
それが、お婿さんに行き隣町で学習塾を営んでいるのだが、最近、この町内に戻ってきて、自宅を新築している。
それはいい。
気になるのは、「S議員が戻ってきてから、我が町内のインフラが、妙に整備されだした」ことだ。
町が所有している街路灯が市の管轄になり、電気代や修理費が減ったこと。
通学路にガードレールが設置されたこと。
山際の土砂搬出がなされたこと。
ガス管工事が大々的に行われていること。
…枚挙にいとまがない。
今日の総会では、自治会長が何度も、「S先生のお陰で…」と繰り返した。
整備されるのはありがたいが、何か「票集め」のニオイがして危険なものを感じる。
だって、他の議員を推してる人もあるだろうし、
とりあえず、町内会費で賄える街路灯費用に市のお金を使わなくても、もっと困っている地域、お金を必要としている地域に使ったほうが有意義ではないか。
幸い、自治会長が「総会という場なので、S先生からのあいさつはご遠慮いただく」と発言したので見直したのも一瞬のこと。
続いて、即、「でも、皆さんが承諾してくだされば、マイクを回しますが…」なんて言うもんだから、みんな拍手。
…もちろん私は、拍手、しなかった。
後援会でもあるまいし。
街路灯代と言っても数万円のことだけど、こうして議員が地域のために尽力し、大きなお金が動き、また議員が当選し…という繰り返しでいびつな構造や不正問題が起きるのだと目の当たりにした感じ。
S議員、「この町に帰ってきました。新人の町人です」…なんてあいさつするなら、自分だけ、正装で椅子に座ってちゃだめじゃん。
みんな、「床に座布団」で座ってるんだからさ。
追うべきは町益でなく市益なり 鞠子