喫茶店のドアを開けたら、即「いらっしゃいませ」と言われた。(←あたりまえだが)
その女の子、一目見て「120%、どこかで、それも近々に会ったことのある子だ」、と思った。
向こうはわかってて、ニコニコしている。
「どこかで会いましたよね」仕方ないのでそう聞いた。
「はい、スイミングです」
…え??…スイミング?…プールの中で、この子と?…
一瞬、うそっ、と思ったあと、すぐに気づいた。
スイミングの利用者じゃなくて、スタッフだったのだ。
いつも受付にいる子…
そうか、アルバイトかけもちか。
頑張るなあ、若い子は。
私にはもう到底できないな、などと感心していた。
彼女がコーヒーを運んできてくれたので、「かけもち、頑張るねぇ」と言ったら、「いいえ、スイミング、やめたんです」、だった。
ふぅん、そうだったのか。
…たったこれだけの出来事なのだが、いろんなことが頭をよぎった。
まずは私の頭の鈍さについて。
スイミングにはしょっちゅう行っているのである。なのにすぐに気づかないとはなんたることか。
おまけに、「スイミングで会う=利用者」としか考えない頭の固さ。
情けないったらありゃしない。
それから彼女の職の遍歴について。
まだ20代前半。よく言えば素朴な、悪く言えば垢抜けない感じの女の子。
あのスイミング、一人「思いっきりお局様タイプ」の古株女性がいるのである(←私が言えた義理ではないが)。
だから、こういう女の子は勤めづらいだろうな、と思う。
かといって、喫茶店みたいなとこに向くか、というと、そうでもないのだが、今日、見た限りではキビキビと働いていた。
つまり、原因はやっぱり「人間関係」かな、と。
ま、あえて聞かなかったけど。
彼女がより楽しく働ければそれでいいんだから。
…それにしても、私の鈍さは看過できんなあ…
忘れたい忘れたくない問うてみる 鞠子