昨夜、『メサイア』の練習時、隣に座っていた音楽トモMちゃんに、厳しい指摘をされた。
「音がこもっている。だから音が下がる。BACHとHANDELは違う」
…正直、いたく凹んだ。
「音をこもらせない」というのは、ふだんから意識していて、かなり改善したと思っていたのに、そうではないらしい。
自分の声は聞こえない。
どう直せばいいのか、わからない。
ましてや「BACHとHANDELを歌い分ける」なんて、個別レッスンでもしてもらわないかぎりムリだ。
何事にも「一途に努力する」というのは、悪いことではない、と思う。
しかし、それが行きすぎたらどうなるか。
そのうえ、努力して結果が出たとしても、物質的な利益は何もなく、人のためになるわけでもない、としたら。
私にとって、音楽とか文学は、大きく分類したら「趣味」の範疇に過ぎぬ。
だから、「楽しければよい」、はずだったのだ。
Mちゃんの指摘を聞き流したって、どうということはない。
だけど、私なりに「一途に努力」し続けた結果、欲が出て、優越感と劣等感がもぐらたたきのもぐら如く出たり入ったりし、自分で自分の首を絞める状況になっている。
この年になって、この種の苦悩?
…何だか歌うのが怖くなってきた。