今日は『錦秋名古屋顔見世』、ということで、歌舞伎。
もちろんお目当ては中村吉右衛門さまナノデアル(´∇`)
吉さまの『俊寛』、5年前に一度、観た。
その時、大泣きしてしまい、幕間に慌ててお手洗いで鏡を見たら、マスカラが流れ落ち、「熟女パンダ」と化していた。
そういえば、江國香織の小説に『号泣する準備はできていた』ってのがあったな。
それよ、それ。
2度と同じミスは犯さない。
よって今日は、目元ノーメークで行った。
…大当り(-_-;)
号泣も号泣。
吉さま演ずる俊寛ほか成経と康頼は、離島に配流され辛苦をなめるが、大赦で都に帰れることに…
ところが、結局、俊寛一人、島に取り残される結果になってしまう。
都にいる最愛の妻も殺されていた。
もやは何の望みもない。
俊寛は「船に乗れる最後の1席」を、成経の妻(島の海女)に譲るのである。
遠ざかる船を見つめ、慟哭する俊寛。
実は今日のお席は、「最前列のど真ん中」というVIP席。
だから俊寛は、私の目の前で愁嘆したのである。
俊寛の愁嘆場、最後は「無言」なのだ。
無言で沖(つまり客席)を見つめる。
5年前に観たときは、悲しみにあふれた愁嘆だった。
今日は、悲しみだけじゃなく、そこに「圧倒的な孤独」と「絶望」と「諦観」がないまぜになった「円熟の愁嘆」。
もう、見つめあって(←非常に自分勝手な思い込み)号泣も号泣。
…最高でした。
…明日は昼の部にイクノデアル(´∇`)
肩が泣く手のひらも泣く言葉なく 鞠子