今日から地元のカルチャーセンターで『クラシック講座』が始まった。
第1回目のテーマはマーラー『交響曲第5番』
…と書いたが、私は今日、講座で聴いて初めて「ああ、この曲ね」と思ったレベル。
映画『ベニスに死す』の劇中に使われてる曲だ。
視聴に使われたのは2004年8月に収録されたクラウディオ・アバド指揮、ルツェルン祝祭管弦楽団による演奏。
アバドのもとに集まった世界的なソリストたちによる豪華な祝祭オーケストラなのだそうだ。
観ながら、聴きながら、説明を聴きながら、マーラー初心者の私は思った。
音楽の究極って、ひょっとしたら「音楽のなかに入り込んでしまうこと」なんじゃないかって。
普通、「楽譜を見て演奏する(あるいは歌う)」んだけど、究極は「自分もすっぽり音楽の一部と化してしまう」のではないか。
アバドもオケのメンバーも、まるで「コンサートホールという空間に立体的に描かれた第5番の動く楽譜」に思えてしまった。
撮影・録音されたものだから、ソロは大写しになるし、アバドの表情もドアップになるし、で、よけいにそんな感覚になったのかもしれない。
もしくは、
マーラーの音楽には、そう思わせる力があるのかもしれない。
ただ、音、という点だけに特化すれば、
この演奏、ライヴで聴いたら、私は正気じゃいられなかったかもしれない、とも思った。
やっぱり音楽って、底知れぬな。
かつ、いただきははるか彼方だな。
…だから、一生懸命になれる。