職場の荷物上げ下ろし用ホイスト、使用時にコードが抜けるようになった。
オトコ後輩Eが、脚立に上がって差し込んだものの、差し込み口が割れているのかゆるんでいるのか、きちっとかまない。
それをだまして使っていたのだが、よりによって大量の印刷物を上げている最中に、コードが抜けてしまった。
ゴンドラ宙吊りのまま、ホイストはうんともすんとも動かない。
あわててS社に連絡した。
ここ、客様H氏に紹介してもらった修理屋さん。
それが、明らかなる「家族経営」で、なかなか興味深い。
何と言っても電話に出るのが遅い。
ようやく出たかと思えばブアイソなおばさん。
会社名を名乗りもせずうっとうしそうに応対する。
こういう人、たぶん社長の奥さん、うん。
今日もそうだった。
症状を伝えて、できるだけ早く来てくれるように頼んだところ、昼少し前に、おじさん職人がやってきた。
いや、ただの職人じゃない。
この人がたぶん、社長だ、あはは。
さっそく持参した高い脚立に乗って、ホイストのコードを点検し始めた。
解決には、5分もかからなかった。
コードの差し込み口には、「ツメ」が、ついていたのである。
そのツメを所定の位置に合わせないと、コンセントは固定されないのだ。
修理自体はなにもなし。
社長(←たぶん)、申し訳なさそう。
「伝票、切ってもいいんでしょうか」とおずおずと聞いてきた。
つまり、代金を請求してもいいのか、という意味だ。
もちろん。
人が動いたら、金銭がかかるのは当然だもん。
それを聞いてから、社長(←たぶん)は、階段の踊り場まで出て、誰かに電話していた。
相手はおそらく、実質社長(←社長の奥さま)。
料金をどうするのか、指示を仰いでいたに違いない。
このユルさ、さすが、家族経営だわ。
でも、
そこそこ利益が出て家族が普通に暮らせるなら、これはこれでいいじゃないのと妙に納得してしまった。