ナミダのクッキングNo.1443 | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

今日、ちょっぴり悲しかったこと…

今日は仕事で、30歳の二代目経営者・Yさんと話をする機会があった。
いや、正確には「近い将来、二代目になる予定」の、現在、専務さん。
その会社は、建築金物を製造している。

なにしろ社員の平均年齢が高い。
自分が会社を継いだ時のことを考え、何とかして若い人に入社してもらいたいと苦慮しているとのこと。
それがたまたま工場見学に来た定時制高校の子がいたので、いろいろ話をしたら、「是非、この会社で働きたい」と言ってもらえたのだそうだ。
来春4月から入社してくれることになったとY専務はうれしそうに語ってくれた。

その高校の子と話した「いろいろ」の中身は何だったのか。
Y専務が挙げた1つは「親への感謝」だった。

ぎゃっ(-_-;)(-_-;)
正直なところ、私はこの段階で拒否反応。
30歳のオトコが臆面もなく「親への感謝」を高校生に説教するとは… 
とても上っ面な優等生発言、軽薄さを感じてしまった。

ところがさらに話を進めるうちに、事情が少々違うことがわかった。

Y氏、中学、高校時代、非常に「いけなかった」のである。
彼曰く「悪いこと、ほとんど、してきました」。それで親に「猛烈に迷惑をかけた」のだそうだ。
一匹狼タイプのワル。具体的なことは口を濁していたが、それはそれは「悪かった」らしい。

彼は、ワルの世界から逃れるために、「留学」という大義名分で海外に逃れた。それも、「諸手続きをすべて一人でやるなら行かせてやる」という条件をクリアして。
言葉が通じない。これまで家事は全くしたことがない。そんな中、2年間、海外で暮らして彼は心を入れ替えざるを得なかったようだ。
そして帰国後、父の会社に入社し、これから…という時に、母は亡くなってしまった。
今まで迷惑をかけた分、親孝行を…と思っても、もう母はいない。

私は彼よりうんと長く生きているが、これほど悪いことはしなかったし、波乱の体験もない。
だから、親に対して思うことは、私のそれと彼のそれとは全く違った質のものだろうな…と思い直した。

Yさんは現在、二児の父。昔の悪いトモダチが「びっくりするような家庭人」なのだそうだ。
「社員も安心して家庭人でいられる会社にできたらいいな」と、元ヤンキーのY氏は控え目に夢を語っておりました。