ナミダのクッキングNo.1385 | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

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今日、ちょっぴり悲しかったこと…

スイミングトモ・Mさんに招待券をいただき、今日は、県交響楽団定期演奏会に行ってきた。

この招待券を手にした時から、考えていたことがある。
それは、演奏会終了後、会場からJRの駅まで「歩く」ことだ。
それも道中、清流N川を渡り、裏道に入って、幼稚園の頃まで住んでいた家の前を通るルートで。

車でも30分くらいかかる。
かなり遠いのだが、この日をとても楽しみにしていた。
昨日、自分自身の演奏会も終わり、気持ちを切り換えるにはちょうどいいタイミングだし、普段「車でも通ることのない路地」にあるので、こんな機会でもなければ、まず、行けないからだ。

…さて、予想はしていたが、当時の面影は皆無だった。

銭湯は普通の住宅に、小さな幼稚園があったのに、それは駐車場になっていた。
そして、両親と姉と私が住んでいた家は、更地になっていた。

「住んでいた家」と言っても、2部屋ばかり、間借りしていたのである。
お手洗いは共同、お風呂はなかった。
そんな状況なのに、幼稚園のオルガンを我流で弾く私を見て、両親は、近くのピアノ教室に通わせてくれた。
ちなみに、家にピアノはなかった。

そのピアノ教室も、もう跡形もなく消えていた。

あのころ、
いつも近所の人が路地にいて、埃っぽかったな。

当たり前だけど、世の中は、こうして徐々に姿を変えていく…

ところで、
今週の私は、「火・木・金・土・日」とオケのナマ演奏を聴いたり、合わせて自分で歌ったりした。
こんな至福の一週間があるのも、かつてここにあったピアノ教室での時間があったからだ。
さらには、
この更地にあった家に住んでいた幼児期を過ごした今の私があるからだ。

…そう考えると、世の中は姿を変えても、一人一人の中にいろんな形で蓄積されて残っていく、ということになる。

…そう思ったら、なんだかちょっぴり誇らしい気持ちになった。