とある団体の機関誌に載っていたコラム。
筆者はどうやら経営者らしい。
冒頭、
「戻れるとしたら何歳の時に戻りたいですか?」
と、「若くて大変に熱い経営者」から問われた、と書いてある。
大変に熱い経営者、か。もうここで、ヤな感じ。
そして、その問いに対する答え。
「今が一番よい」。
へえ、そうなんだ… で、その理由は?
「昨日より今日、今日より明日が素晴らしくなるように生きてきて、実際そうなっているから」
…うんざりした。
さらに続く。
「答えた後、なぜそうなったかを説明していて、自分自身を大変誇らしく感じました。」
…あきれた。
実はこの後も、コラムは美辞麗句のオンパレード。
熱い経営者もイヤだが、この自己評価の高さはなんなんだ。
この論法で行くと、死ぬ時は「神」になってしまうじゃないか、この人は。
そんな単純に、素晴らしくなんてなれるものか。
昨日と今日を比較して、何がどんなふうに素晴らしいのか、私が納得できるように説明してみろってんだ。
どうしてこんな軽薄な文章を堂々と書くのだろう。
恥ずかしくないのだろうか。
でもまあ、「ああ、昨日より今日は素晴らしくなった」と思って生きた方が楽か。他人になんと言われようとも。
ちなみに、
「鞠子さん、戻れるとしたら何歳の時に戻りたいですか?」
「・・・う~ん、そうだなあ、お肌が角を曲がる前、くらいかなあ。」
「その理由は?」
「・・・化粧ノリもいいだろうし、老眼もないだろうし、物覚えもいいだろうし・・・」
そして、
「答えた後、なぜ、そう思うのか説明していて、がっくり落ち込みました。」
・・・まだ、私の軽薄ぶりの方が人間らしくて救いがある、と思わない?