バス待ちをしていた。
目の前を車が走るのだが、信号がすぐ近くにあるため、赤になるたび車が停まる。
停車する車を何台も見た。
自然と車内に目がいってしまう。
…したらばなんと、全ての車のドライバーが、「他事をしていた」。
スマホはもちろん、書類を読んでる、化粧をしてる、何か書いてる、新聞をひろげる…
驚いた。
だが実は、私も人のことは言えないのである。
幼い頃、親に「テレビを見ながら御飯を食べてはいけない」とよく言われた。
「○○しながら××する」、いわゆる「ながら族」は、はしたない典型だと言われた。
でもいまや、死語どころか、ほとんど「ながら」ではないか。
あきらかに「ながら」は増殖している気がする。
…何とせわしい世の中になってしまったのだろうか…
P.S. たまたま目にした冊子に、早稲田大学の十重田裕一教授が、川端康成の『古都』について書いていた。
その中に、「新幹線の開通は、故郷の風情を感じる暇もあまりないまま京都に到着可能となるような、近代化に伴うせわしなさの象徴」と書かれていた。
そうか、やっぱり「便利な世の中」は効率的なように見えて「せわしない」んだ…