『国宝みうらじゅん いやげ物展』を観に行ってきた。
「いやげ物」とは、「誰がこんなものを買うんだ?」 と常識を疑うような土産物のこと。
みうら氏が全国津々浦々、何十年もかけて集めたコレクションだ。
例えば「カスハガ」。
絵ハガキセット10枚入を作ろうにも10も観光資源がない地域が、枚数を稼ぐために入れたとしか思えないおかしなハガキ。
あるいは「ヘンジク」
脈絡のない図柄をぎゅうづめにした掛軸。
2000点ものコレクション、確かに笑えた。
誰がこんなデザインをしたのか、よく製作したなと笑えちゃうのだが、
ふと我が身を振り返ると、我が家にもいやげ物がいくつかあるのである。
例えば、
「けばけばしい羽根をアレンジフラワーもどきに仕立てた巨大な置物」とか、全身、真珠(←たぶん偽物)で作られた日本人形とか。
ただし、この見慣れた物々を「いやげ物」だと思ったことはなかった。
「そういえば、いやげ物だった…」なのである。
だからみうら氏のコレクションも、なんの解説もなければ、普通の品々、あるいはガラクタとして見過ごしてしまう。
それぞれの品についているみうら氏の解説が絶妙だから、いやげ物として笑えるのである。
「言われてみれば…」という感覚は、なかなか新鮮で刺激的だと、妙なところに感動してしまった。