「営業畑にいたら、今、金はなかっただろうなあと思う」と、客様K氏は苦笑いしていた。
K氏は、高校卒業後、大手メーカーに就職し、人の何倍も努力して役員にまで昇進した人。
定年目前に、取引先の中小企業に「次期社長(息子)までの中継役」ということで口説かれ、仕事人生の最終版になって、経営者になることを決心した。
K氏が勤めていた大手メーカー、営業で抜群の好成績を上げた人というのは、やはり相当「自分のお金をつぎ込んでいた」のだそうだ。旅行だ贈り物だゴルフだと、得意先に供する接待は、かなり自分の財布から持ち出す。きれいごと言ったって、そうしないと、好成績は勝ち取れなかった…のらしい。
営業畑でなかったK氏は、大して持ち出さずにすみ、今に至っているとのこと。
…デキる営業マン。
…そうかもしれないなあ。
本来、
仕事のために使ったお金は、会社に請求する。当たり前のことだ。
うちの職場ではどうか。
誤解を恐れず言えば、あまりにもギチギチに線を引く人はどうなの?って思う。
例えば、仕事中、書類を届けるため、コインパーキングに車を停めた。駐車料100円。
これに出金伝票を切って精算するかどうか。
あるいは、いつもは車で通勤しているが、一泊出張のため、家からバスで駅に向かった。片道200円。
これに出金伝票を切って精算するかどうか。
仕事で使った費用だから、どちらも当然請求できる。
でも私なら…
しないだろうなと思う。
こういう100円程度の費用に出金伝票を切る人はいつも同じ人で、切らない人もいつも同じ人だ。
さてこの時期、私たちの仕事も各組織毎に忘年会ラッシュ。
ただ仕事の性格上、忘年会は原則不参加。どうしてもと参加を求められたら、私たちの参加費用は、他参加者が負担する…ということになっている。
ずいぶん高飛車な原則だが、それくらい忘年会数がハンパなく多いのと、暗黙のうちに「我々は忘年会に参加しない」アピールになっている。
…とは言っても、諸事情により、やむにやまれず出なければならない忘年会もある。
原則は、「私の分を私以外の参加者で割る」だが、どうも私はそれに甘んじられない。結局、自分のお金で参加する、ということになる。
つまり、
仕事の忘年会は、吟味して出席する…ということだ。
…が、しかし、大手メーカーの営業マンなら通用しないだろうな。自腹を切って、すべての忘年会に参加する。そして売上を増やす…
いちいち請求してくる人も?だが、多額の自腹を切らなければならない仕事も?だよなあ。
矛盾してるけど…