聞いたか読んだか、忘れちゃった話なんだけど。
どうしても、歩行リハビリを拒むおばあちゃん。療法士が必死に声をかける。
「さあ、この平行棒につかまって、向こうの端まで行きましょう」
「いやだ。行かん」
「どうして嫌なのかな?」
「だって端まで行ったら、また戻って来なならんのやろ」
…なかなか、鋭いところを突いている。
以下は私の話。
朝、どんなに遅刻しそうでも、化粧せずに仕事に行けない。あわてている時に限って、マスカラが余計なところにペタっとついたりする。
わっ、しまった…ますます焦る。
帰ってきたら落とすだけなのに、よくもこんなこと、毎日繰り返しているなあとあきれるばかり。
それに、
化粧をする時は、汗や皮脂に強くて落ちにくいものを選び、落とす時は、しっかり落とせるクレンジングを選ぶ。
考えてみれば、ばかばかしいことしてるよね。
それと私、
アクセサリーをせずに、仕事に行けない。し忘れると、何か一枚、下着をつけ忘れたようで落ち着かない。
基本パターンは、右手に2、左手に1、計3本の指に指輪。さらに右手には10連ビーズのブレス、左手にはパワーストーンのブレス2本、それにネックレスをつける。
ジャラジャラ状態。
そのくせ、家に戻ると、早く外したくて仕方がない。
おかしなルーティン。
どうせ戻って来なきゃならないんだから、歩かない。
どうせ落とさなきゃならないんだから、化粧はしない。
どうせはずさなきゃならないんだから、アクセサリーはしない。
…真理ではある。
…が、しかし、どれもムリな話。
意味のない繰り返しや行動パターンでも、省略できない「やむを得ない無駄」なのだ。
…などといろいろ理屈を言ってる間に、
早起きして、化粧&アクセサリー装着すればすむことじゃん。
少なくともリハビリは、無駄じゃないし。