村上春樹のカタルーニャ国際賞受賞スピーチを読んだ。
気持ちは複雑だ。
私は、原発問題に関して、ずっと割りきれない思いがあった。
「核=危険」は前から知っていた 。「原発=何かアクシデントがあったら非常にヤバい」ことも知っていた。
じゃあ「原発建設」の時、疑問を呈したか?反対したか?
…少なくとも私は、知らん顔してた。
それなのに、問題が起こってから「…だろ?だから原発はつくるべきじゃなかったんだよ」って言えるか?
村上春樹はスピーチの中で、唯一の被爆国日本だからこそ「歩みが遅いとバカにされても、核を使わないエネルギーの開発を、戦後日本の中心命題にすえるべきだった」という意味の発言をした。
そうだ。そうすればよかったんだ。その手の開発ができる優秀な頭脳の持ち主は、いっぱいいるはずだもん。
そういう主張をし続けた人々も、きっといっぱいいたに違いない。
村上春樹は自分の作品の中に、さまざまな形で自身のエネルギー観を入れ込んでいるらしい。(←私は読みきれていないけど)
小説を書くことで、あるべきエネルギー像、自然と調和できる生活を訴え続けるという活動をし続けてきた。
この受賞スピーチは賛否両論渦巻いており、否定的な意見もかなりある。ただ私は、しょせん他人事としか考えてこなかった自分の浅はかさに改めて気づかされた。
…かと言って、じゃあ「自分できることは何か」と考えても、「とりあえずムダな電気は使わない」くらいしか思いつかないんだけどね…
P.S それから、最後に「賞金等は全額被災地に寄付する」ってスピーチしたけど、これは黙ってやってほしかったと思うのは、私だけだろうか…