アーガイル | ちょんぺいのブログ(映画へん)

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その年に日本公開された映画を中心に感想を書いてます。備忘録としてサクッと書いちゃってますが、良ければ気軽に覗いて下さい。誤字脱字は申し訳





アーガイル


近年一番感想が書きやすい映画、単純明快で肩の力を抜いて見れるアトラクションのような娯楽作品でした。


まずは邪念感想から。


キングスマン、X-MENファーストジェネレーションのマシューヴォーン監督最新作。


この二作が好きすぎて反動なのか、のちに作られたキングスマンシリーズの2作は肩を落とす思い出となってしまった。

だが話題作で盛り上がってる昨今、マシューヴォーン最新作がしれっと公開されしれっと終わりそうだったのでこれは見ねば!という使命感で鑑賞。

邪念感想を雑に一言で言うなら、キングスマン!

アイデア、展開、演出の使い回しがすごく、ヒット曲を生み出したアーティストが「売り上げ落ちたから、またあんな感じのテイストで曲出して置きにいこう!」感が否めなかった。


しかし、キングスマンは8年前の作品だ!(自分8年もこのブログやってんの…)

8年となればみんなキングスマンなど知らないはずだ!


と、邪念を振り払う。

比較したら劣るかも知れんが、良い部分だけ比較して楽しむ気持ちで見たらとても面白い!

そんな目線で感想を書き直します。



アーガイル!楽しかったよ!

サーチをブラッシュアップしたサーチ2の様に、マシューヴォーンお得意のフォーマットを軸に新たな娯楽スパイ映画爆誕!といった感じでした。


最近は面白いけど精神がすり減るような難解な映画が増える中、近年ユニバーサル映画はバイオレントナイトなど「頭空っぽで見れる90年代イズム」な娯楽作が量産されてるようで好感が持てる。

普段映画を見ない人やカップルにもオススメ!


人気スパイ小説を書く女性作家が、ホントにスパイに狙われちゃうという物語。

頭の中で思い描いてたスパイ像と現実のスパイ像の対比を面白おかしく描きながら、物語は二転三転四転五転…としていきます。


伏線になる伏線だよ!という意味を成さないあざとい伏線がてんこ盛り。

都合が悪くなれば後出しじゃんけんで実はこうでしてね!で乗り切っちゃうからこそ、先の読めない展開が成立出来るから仕方なしか。


キングスマンの様なスパイガジェットや裏をかく心理戦も無く雑なんだけど、わかりやすくここまで雑だと作中に出てくるスパイ小説と重なる様なご都合主義でやらせてもらいます!

という明確な意思表示にもなっていて、これが「コメディ」として成立してる。


つまり監督作一ふざけているのである。

ただ、キングスマンのフォーマットになぞってるだけあってやっぱり楽しい。

展開や裏切りはほぼ同じで既視感はあるが、見ていて引き込まれるし、展開も多く飽きない。


キングスマンは擬似親子の様な成長物語とブロマンス要素たっぷりの関係性が軸になってたから面白かった。


こっちはベタなスパイ作品を書く作家が映画の様なスパイの世界に巻き込まれるというメタ構造となっているので、フォーマット同じでも設定変えるだけで二度美味しいんだなと思いました。


設定ゆるくてもアクションや展開の面白さが後押ししてくれて、最後のバカバカしさはキングスマン同様に音楽の力でブチアゲてくれる。

なんならキングスマンを元にアクションパートや戦い方のバリエーションに厚みを増した様にも思える。


金曜ロードショーとかでやんや言いながらみんなで楽しみたい一本。

キャラやストーリーに深みがない分、翌日には忘れてしまうかも知れないけど、映画館を出た後には「楽しかった!!」と満足感に浸れます。


ジョンウィックの脚本家が描いたMr.ノーバディ的な立ち位置な作品に近い。


練り込んだストーリーを生み出せる人だけどセーブしてとにかく楽しく作ったんだろうなとこっちまで伝わったのが良かったです。


何より貴重な中年がんばれ!映画としてぶっ刺さったな、俺も楽しく生きよう。




そして改めてこのポスター!

ずっと一人で妄想してた「実は主人公が真ん中じゃない映画があってもいいのでは?」というのを物理的にクリアしてて、鑑賞後にこのポスター見るとええなぁ!と余韻に浸れる。

ピースメーカーといいジョンシナも存在感あって良かった。


ワクワクしながら映画館で楽しい時間を過ごそうという当初の自分に戻れた気がしました。


その頃の感性や思考で映画を見れなくなったか…と少し寂しい気持ちにもなったけど。


安心してください猫は無事です!