ボーはおそれている | ちょんぺいのブログ(映画へん)

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その年に日本公開された映画を中心に感想を書いてます。備忘録としてサクッと書いちゃってますが、良ければ気軽に覗いて下さい。誤字脱字は申し訳




ボーはおそれている


公開終了館がほとんどで諦めてたのですが、

そんな中、ムビチケをいただきました!

ありがてぇ、ありがてぇ。


恵比寿の映画館で鑑賞。

エレガントな空間を堪能。◯◯◯シネマと比較してシャレオツでエレガント…そんなえらい違いに驚きつつ…。


全米でも日本でもコケた部類に入ったらしく、1ヶ月弱で都内の上映が5館を切ったことにも驚き。


鑑賞後に思った事。

コケた映画というと悪いイメージなのですが、これに関しては褒め言葉な気がするんだよな。

莫大な予算で理解不能な作品ってまず作れないと思うのよね。映画会社がまず許さないだろうと。


でも天才肌の監督と理解あるA24あってこそ実現したのだと思う。

コケてもまだキャリアにまだ傷は付かないしそれに怯えず、今じゃなきゃ作れないという意気込みを感じた。

またこういった支離滅裂な作品を作る!と言っても今回ちゃんとコケてるから次は作れない可能性もあるし。


そして自由に楽しく本当に作りたい映画を作ろう!というアリアスター欲張りセットが完成したのである。

(もちろん本人はコケるつもりで使ってないのも良いよね)


雑に例えると大手会社が莫大な予算でランジャタイにNG無しで好きに映画作らせた感じです。そしてファンも楽しみに見るけど、良くわからない、でもなんか最低で最高!

それ以外の人ブチギレ!みたいな。


語彙力ないので、言語化が難しいがこの作品が爆誕した事自体が尊く思えた、面白いかどうかは別として。過程が貴重、立ち会えて嬉しい。


本作のあらすじは、

主人公のボーが母親に会いに行こうとするも、起きてほしく無い事が次々と発生して翻弄される話。

もはやあらすじすら必要なのかと思うほどなので、ストーリーは気にせずボーのドラッグ描写に近い数日間を体感しよう。


監督いわく、定型を否定したパンクな作品を目指したとの事。言語化すると面白く無い精神でやってるらしいので、感想が言語化出来ないが正しいのか。


王道の逆をいく造り、繋がりや理由もほぼ無い。

利点としてはとにかく自由に出来ることか。

ランジャタイや野生爆弾のネタに慣れ親しんだ日本人でやっとスタートラインに立てそう。


笑いとホラーは紙一重と発言されたように、緊張と緩和に加えて何が起こるかわからないおかしな事の連続。

高熱の時に見る夢3時間スペシャル!

夢を具現化させたような作品なので、体調が良い時に見てね。

上映時間が3時間なのは、主人公の視点に観客が包み込まれるのに必要だったとのこと。

意図的な退屈タイムと理解不能な展開に気付けばボーと一心同体になる。

キャッチコピーの「きがへんになりそうです」も納得。ちゃんとその日は悪夢も見れたしね。


これ編集前ですか?というテンポとどこに連れて行かれるかわからないこの感覚は、早送りもできなければ逃げ場のない劇場で体感して完結する。


気軽に見れるようになった場合でも、4部構成になってるのでセパレート鑑賞し、距離感をおく事で逆に面白く感じるかも。

数年後カルト映画の傑作として更に評価も上がりそう。


小道具とかは既存品では無く、ほぼ全部1から作ったよ!という楽しみ方してるのもやばい(ほめてる)


ヘレディタリー、ミッドサマーはまだジャンルやテーマ性があるから良心的。

ミッドサマーは女性層にぶっささり、日本は特にロングランの大ヒットとなったそうだ。


そんな支持もひっくり返してくる神経すごい



不安を描いたコメディ要素と、迫害の恐怖要素が思いの外独立して見えたけど、極端で良いのかもしれない。


悲惨な事でも遠巻きの第三者視点で見せれば笑いになり得るといった手法も楽しめました。


追われる恐怖を戯画化したような一本。

鑑賞後は狐に摘まれたような顔になる事間違いなし。

ためてためて‥そこで監督の名前出るのかよと笑ってしまいました。


記憶があるうちにザッと書いてしまいましたが、今回はこのへんで。