スケーターガール | ちょんぺいのブログ(映画へん)

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その年に日本公開された映画を中心に感想を書いてます。備忘録としてサクッと書いちゃってますが、良ければ気軽に覗いて下さい。誤字脱字は申し訳




スケーターガール

He was a boy She was a girl
Can I make it anymore obvious?
と口ずさみたくなるよね、わかる。

ガールの方でございます、スケーターガール。
Netflix独占配信映画で御座います。
タイトル的にはスケートでプロを目指す女の子のサクセスストーリーな感じがしますが、そうでも無く。

監督は数々のハリウッド超大作の制作に携わり、本作が長編デビュー作となる。この監督に限らず長編デビュー作から完成度の高いってのが多すぎる、眼福。

インドの現状を交えながら進行していく。
以前レビューした「ザ・ホワイトタイガー」はインドが舞台であるがアメリカ制作の為、踏み込んだ内容となった。
本作はインド制作の為、実情をやんわり程度しか(描きたいのに)描けていない。
なのでストーリーから浮かび上がるカースト制度の名残りは表向きには語られない現状であるという点を踏まえて見るとより一層面白い。

(この街では)階級に応じた早期結婚と仕事という役割が決まってる。レールが当たり前に敷かれてる以上、夢は何?という概念がない。
ひょんな事からスケートと出会い彼女は活き活きとした表情になる。
それがきっかけで夢という物に向かって走り出す話では無い。スケートという点も良く、「初めて自分の意思でコントロールが出来た」というキラキラした輝きを映画内で体現させてくれる。

古い思想や階級の問題故にポップな展開や派手な演出へは向かわないものの、彼女の中で初めて好きな事にのめり込める瞬間が幸せであるという描写に胸打たれる一本となっている。


変化を嫌い暗黙のルールの中で当たり前に存在する街という基盤がしっかりしているからこそ、スケートと現実の狭間に熱くなれる。


スケートパークを作るくだりでは、撮影現場のメイキングの様なシーンとなっており印象的。本作をきっかけに実際、スケートパークが支援所として活用されたという点ではフィクションラインを超えたリアリティを感じる。


もちろん希望の先には波乱がある展開となるが、最小限で見せてるので良心的。

レリゴー的な開放感も良いね。

雑に言えばインド版フラガールのような感じでした。