ラクダの歴史 | テキトーに何か言ってるブログ

テキトーに何か言ってるブログ

甘っちょろい戯言です^^

ちくま学芸文庫:ウィリアム・バーンスタイン著:「交易の世界史」より「ラクダ」

 

ラクダより良い家畜は他にいる。

例えば、ラクダの毛より羊毛の方が優れている。ラクダの乳や肉よりも牛乳や牛肉の方が豊富にとれる上に味も良い。水田地域ではラクダより雄牛や水牛の方が重宝した。

 

だが、アラビアやアフリカの人はラクダの長所を発見した。

乾燥地帯における航続可能距離!

 

ラクダは水を蓄え保存する能力を持っている。

コブに水を蓄えてるわけではない。

体中に均等に分散させている。

始めに一度に190Lもの水を飲めば、数時間から場所によっては数週間水なしで暮らせる。

並外れた腎臓機能によって尿を効率的に濃縮し、体液を温存する。

アジアからアフリカに渡るラクダは、フタコブラクダからヒトコブラクダに形を変えた。

ヒトコブの方が体表面積が減るため水分の蒸発量が抑えられる。

さらに、日中の暑いさかりに、気温に逆らわずに体温を上げる能力がある。

これで発汗による水分の蒸発を最小限に抑えられる。

 

運搬用動物として山岳地帯はロバの方が優れてるかもしれない。

でも砂漠のような荒野ではラクダが圧倒的需要があった。

一人のラクダ乗りは三頭から六頭のラクダを率いた。

1~2トンの積荷を1日に約32~96km運べる。

貿易商は始めラクダの不安定な背中に手こずった。

それで鞍を改良していった。

平均約230kg、頑強なラクダならば約450kgの積荷を運べるようになった。

 

現代では道路が綺麗に舗装されている。

とはいえ、まだ荒野はある。

だから、ラクダとクルマを組み合わせて輸送効率を上げている。