*ちょうど3年前、2015年3月〜2017年4月までの、外来抗がん剤治療していた時のことを、思い出しながら書いています。
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膀胱がん遠隔リンパ節転移 T1N3M1
ステージ4
だけど
今は寛解しています〜



ハイパーサーミア
という温熱療法があることを知って
退院したら自分も受けたい、という思いが
どんどん大きくなっていきました。
自分の住んでいる地域から通える治療施設を探したら、名古屋市内に2箇所あることがわかり
そのうちのひとつの
「名古屋前立腺センター」のホームページに載っていた
上田公介先生の写真になぜかとても惹きつけられてしまって
退院後、不安な気持ちを抱えながら
上田先生の診察を受けに行きました。
上田先生は70歳にもうすぐ手が届くくらいのお歳なのに、とても元気で明るくて
患者さんの不安も何もかもを暖かいお日さまのように丸っと抱き込んでしまうような、
大きくて、とっても温かい先生でした

そして驚いたことに
なんと上田先生は、主治医のK先生の医学部時代の恩師だったことも判明

「お〜、そうか、そうか〜
」

「Kちゃん(主治医)は、ええ子なんやわ〜」
と、
とても嬉しそうにお話しされていた上田先生のことを、昨日のことのように覚えています

その後も上田先生の病院へ行くたびに
待合で私の姿を見かけると
「お〜、マイコちゃん、来たか〜
」

と大きな声で言ってくれたり
上田先生が学会で発表する予定の、
ハイパーサーミアで寛解したステージ4患者さんのCT画像を内緒で見せてくれたり
新しいエコー検査器が入った時には
「サービスでやったる、やったる
」


と、
まるで新しいおもちゃを手に入れた子供のように
とっても嬉しそうにしていた先生を見ていて
心の中が温か〜くなりました

それは決して私だけでなく
来院している他の患者さんたちを見ていても
皆んな同じなんだなぁ

ということがわかりました。
診察室からはいつも笑い声が聞こえて
出てくる患者さんは、どこか皆、ホッとしたような表情だったから。
上田先生の
「大丈夫、大丈夫〜」の声は
患者を元気にする魔法の声でした

***
でした...
という書き方になっているのは
今は上田先生は、天国にいるからです。
医者の不養生を地でいくような先生だったのだと思います。
多くのがん患者さんたちの心と体を救ってきた上田先生自身が
気づいた時には手遅れの状態だったそうです。
年末に、
胃腸の調子を崩して、食事制限を受けてるとのことで
「美味しい肉とか、食べたいなぁ〜
」

と言っていたのは
そういうことだったんだ、と随分後に知りました。
患者さんたちには絶対に言うな、
と看護師さんたちに言われていたそうです。
「本当に良い先生だったのに...」
と涙する患者さんがたくさんいました。
薬局の人たちも、同じでした。
***
上田先生が天国へ旅立たれて
その後、看護師さんたちや、ハイパーサーミア学会のいろいろな方たちが奔走してくださり
今は別の病院内で
同じ治療を続けて受けることができています。
上田先生の医学部時代の教え子のお医者さま2人が後を引き継いでくださり
4月からはもう1人、お医者さまが来てくれます。
そしてその3人のお医者さまは
私が入院中にK先生と一緒に泌尿器科で勤務していた先生たちです。
どの先生も、
患者さんと真摯に向き合って、心のある診療をしてくれる先生ばかり

看護師さんたちも
とても温かい、そして強い人ばかりです。
いつもは満面の笑みの上田先生に
「マイコちゃんは、一生来なきゃいかん」
と真顔で言われたことがありました。
だから、私はこれからも
ずっと通い続けます。
上田先生との約束だから。
元気にずっと長生きすることが
上田先生への恩返しだって思っているから

さあ、
今日もこれからハイパーサーミアです

行ってきます!