
2017年12月25日発表
抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ(R)」
がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌に対する効能・効果について一部変更承認を取得
によると、
「キイトルーダ(R)は、プラチナ製剤併用化学療法による治療中または治療後に疾患進行した局所進行性又は転移性の尿路上皮がんの患者を対象とした国際共同第3相臨床試験(KEYNOTE-045試験)において、有効性および安全性が示された初めての免疫チェックポイント阻害薬」
で、
主にT細胞に発現するPD-1(受容体)に結合し、この受容体と腫瘍細胞に発現するリガンドPD-L1およびPD-L2との結合を阻害することによって、腫瘍細胞のPD-1経路を介する抗腫瘍免疫応答の阻害を解除する働きを持っているとのことです。
第3相臨床試験の結果は
「キイトルーダ(R)群は化学療法群に対して全生存期間(OS)を有意に延長しました。主要評価項目の解析では、キイトルーダ(R)群は化学療法群と比較して、死亡リスクが27%減少しました(HR,0.73[95% CI,0.59-0.91],p=0.00224、層別ログランク検定[片側])。OSの中央値は、キイトルーダ(R)群は10.3カ月(95% CI,8.0-11.8)、化学療法群では7.4カ月(95% CI,6.1-8.3)でした。12カ月時点の全生存率はキイトルーダ(R)群43.9%(95% CI,37.8-49.9)、化学療法群では30.7%(95% CI,25.0-36.7)でした。
キイトルーダ(R)群の副作用は60.9%、化学療法群の副作用は90.2%の患者に認められました。キイトルーダ(R)群の主な副作用は(発現率10%以上)は、そう痒症19.5%、疲労13.9%、悪心10.9%でした。」
とのことでした。
今まで、膀胱がんに適応する抗がん剤は
メソトレキセート、ビンブラスチン、アドリアマイシン、シスプラチンの4種類を組み合わせたM-VAC療法
シスプラチンとジェムザールの2種類を組み合わせたGC療法
の二つしか、使えるものがほとんどありませんでした
また、GC療法のほうが副作用が少ない(といっても、シスプラチンがありますが)ことからGC療法を優先して行ってみて、効果がみられらないと、一か八かM-VAC療法を行う以外に、他の標準治療はありませんでした。
ある泌尿器科医師のブログに、長い間、尿路上皮癌に対する抗がん剤の開発が遅れている...と書いてあったのを見たことがあります。
ここに、キイトルーダ(R)が追加、承認されました!
やっと、一歩、どころか
何歩も前進です