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子供が小さかった頃、休みの日に幼稚園バスを見送ったりしたことを思い出す。

おみおくりとお迎え。先生とご挨拶をして、顔見知りの子供たちに手を振って・・・

 

その前に、

自分の子供の頃も同じことをされていたのだろう、きっと。

いやいや自分が幼稚園に通っていたのは徒歩で歩ける圏内だったので、バスでの送り迎えはなかったと思う。

 

時は流れ、ときどきあちらこちらで見かけるのは、家の前からデイサービスの車のお迎えがあって、お年寄りが送り迎えされるシーンだ。子供とはまた違って、複数の方が車いすを運んだり、とても力のいる作業のように見える。

 

そして・・・

 

ウベルト・パゾリーニというイタリアの映画監督がいる。この人はなんとルキノ・ヴィスコンティの甥だという。ヴィスコンティといえば「ベニスに死す」だが、ほかにも素晴らしい映画を世に残した偉人だ。

 

 

そのヴィスコンティの甥であるウベルト・パゾリーニ監督の代表作がこれだ。

 

 

英語のタイトルは”Still Life”だが、日本語では「おみおくりの作法」と名付けられた。邦題のつけかたについて、時々疑問はあるが、このタイトルはしっくりくる。孤独死の葬儀を行う仕事をする人物の物語。彼もまた仕事を終えていくという展開。孤独を見送る仕事をしてきた主人公もまた孤独に天国へ向かうという話し。

 

おみおくり

 

自分の年齢とともに、おみおくりする対象も変化し、いずれは自分も見送られる。いや誰にも見送ってもらわなくてもいいのだが、どちらにしても消えてゆくものだ。

 

見送り見送られを繰り返すのが人生か。