サラブレッドは経済動物である。
なので生産性を失うと生きている価値がない。どんなに現役時代活躍した馬でも、その後の種牡馬として活躍する実績がなければ現役時代の栄光は打ち消されてゆく。オグリキャップが現役時代、岐阜の笠松から中央に移籍して大活躍したものの、種牡馬としてはほとんど実績がなかった。ラムタラという”神の馬”と呼ばれた馬でさえ、大枚をはたいて輸入されたものの、期待通りの実績を残していない。また、その逆も然りで、現役時代なかなか大きなレースを勝てずに引退したけども、思わぬ活躍する仔を出すケースもある。ステイゴールドなどはこのケースかもしれない。

当時、創設以来順調にレース及びキャスティングに成功してきたジャパンカップは、この要素を存分に満足させる要素がたくさんあった。すなわち、外国の名馬を日本で走らせるという目的と、その馬が日本で種牡馬になるという可能性を兼ねていたのである。

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そういう意味で、ジャパンカップはその高額賞金と種牡馬の売買を目的として世界のホースマンが集う機会であった。特に、北米欧州だけでなくオセアニアからの馬との対決は見応えがあった。オグリキャップを負かしたホーリックス、翌年のベタールースンアップ、そしてトウカイテイオーと死闘を演じたナチュラリズムなどが鮮明に記憶されている。

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