営業している『事業主』よりも、それを『利用する人たち』のモラルなんじゃないの???
…ってコトに気づかせてくれる映画が、今回の映画です。
スタジオでは、毎度毎度『他で受けられる+別にこのIRじゃなくても氏なない+勤務先がここじゃないなら来るんじゃない(怒)』なオコチャマな遠征組に悩まされ。
働きもせず+超絶便利な都心部に住みながら遠征を繰り返し+『台帳のキャン待ちに名前かけるか書けないか』のギリを狙って来るゲスい輩を何故、
IRはブログで出禁命令出さないので??と思う。
そんな大事な映画、2週間も前に観てるのに、どうして感想書くの遅いのよ!と言われると
月末までは仕事が立て込むから忙しい+この映画にも出て来るフレデリック・ダグラス(奴隷廃止運動家)の名言
It is easier to build strong children than to repair broken men
(壊れた大人を修復するよりも、強い子どもを育てる方が容易である)
が、ずーっと頭をよぎったからであるよqqqq
業界一困った弟を持つセレブ・エミリオ・エステベス、監督、主演、脚本作。
やることなすことハデ+問題児の弟と真逆で、ジミながら人徳ある兄貴が作る今回の映画は
ホームレスと図書館占拠。
エステベスが元ソルトレイクシティ公共図書館の副理事チップ・ウォードのエッセイからヒントを得て
構想10年で、この世に出した映画。
そんなワケで、予告編はこちら、あらすじいってみる。
まれにみる大寒波に襲われたオハイオ州シンシナティ。
ダウンタウンにある公共図書館には朝9時の開館を前に大量のホームレスが暖を取る為、列をなしている。
それぞれがお馴染みの顔ぶれ、ヒスパニック系の門の警備員・エルネスト(ジェイコブ・ラーカス)は、何としてでも開館前にゴネて入ろうとする老婆のあしらいには慣れていた。
実直な図書館員のステュアート(エミリオ・エステベス)は、図書館で日々、大小様々なトラブルに巻き込まれている。
巻き込まれ杉で、どれが深刻なトラブルかワケが判らないほどだ。
退役軍人のアフリカ系アメリカ人のホームレス・ジャクソン(マイケル・ケネス・ウィリアムス)、白人太っちょホームレス・スマッツ(マイケル・ダクラス・ホーム)たちからかわれるのは日常茶飯事。
利用者は『都市伝説まがい』なミョウチクリンかつ無理難題を図書館員に聞く人ばかりで
I'm looking for(無理難題)
な事しか尋ねない。
今日は今日でフレディかぶれの中年男(ベン・ラーマン)が、スっぱだかで大声で歌っていた(唖然)
白人のSPウィリアムス(ジョン・オスバック)とアフリカ系のSPコールマン(キース・マクギル)が呼ばれてやってきたが
『裸とはきいてないぞ』と茫然
それに対しステュワートは
全裸のオトコが歌ってるつーたら、おめーら来ないだろっ!
…と怒りを通り越して憮然としていた。
ステュワートの部下の図書館員マイラ(ジェナ・マローン)は、こじれたエコロジスト。
車を使うのは環境に良くないのよ!と遅刻覚悟で地下鉄通勤。
オーガニックフードに拘り、病気の母親と同居、面白くないから文芸部に異動させろと上司のステュワートの書面を書くように迫る。
文芸部は、ここよりもこじれている事を知っているステュワートは、言っても聞かなさそうなマイラに、渋々書類だけを書く事に。
そんな彼は、ある日、出勤早々館長のアンダーソン(ジェフリー・ライト)に呼び出された。
何かマズい事でもしたので??
恐る恐る館長室を訪ねると、そこには館長だけでなく市のお偉いさん、弁護士、傲慢高飛車な検察官デイヴィス(クリスチャン・スレーター)が居た。
デイヴィスは、利用客の1人が体臭を理由に出禁になった件を咎めた。
ステュワートは、しょぼくれ
公共図書館は、様々な考えで多くの人種の方が利用されますので、1人の方の体臭で利用出来ないというのであれば、出て行っていただくしなかなかった。
…と反論。
デイヴィスは『わたしが付けているコロンでも、君は迷惑だと思ったら追い出すのかねっ!』と潰しにかかる。
黙ってればいいのにステュワートは。そこで
安っぽいコロンがプンプン臭うのが迷惑だと利用者から言われたら追い出します(←おいこら)
…とゲロったが為に、検察官の地雷を踏んでしまった。
後から館長のアンダーソンに、過去の様々な経緯からステュワートは、リストラ要員に入っている事、デイヴィスは今度の市長選に立候補する予定であること。
デイヴィスの顔をつぶしたことで、ステュワートだけでなく、この図書館の立場もヤバフォになった事を厳しく咎めた。
肩を落としてアパートに帰ったステュワート待っていたのは、管理人で隣に住むアンジェラ(テイラー・シリング)。
ステュワートが帰ってきた時は真夜中だったにも関わらずアンジェラはアパートの壊れた暖房設備と格闘中だった。
改装費用を捻出しようと、大学教授や会計士などお金を金払いの良さそうな借主を選んでいたアンジェラ。
どうも全員『家賃の金払いはよいがアパートの住人はヒトクセもフタクセもある』事がわかったらしい。
アンジェラの推理にステュワートは、ボクが一番貧乏人で平凡だろ?と笑う。
隣人のアンジェラや部下のマイラ、ホームレスのジャクソンたちと話す時が、ステュワート唯一の癒しとなっていた。
翌日、シンシナティを、この冬一番の大寒波が襲う。
ホームレスはシェルターからあぶれ、行先を失っていた。
ただでさえホームレスのシェルターは少ない。
午後6時の閉館前、ホームレスのリーダー役のジャクソンがステュワートの所にやってきた
今夜は帰らない、ここを占拠する
逃げようと思ったステュワートの目に映ったのは
総勢70人のホームレスたち(唖然)
慌てて引き換えしステュワートは館長に『今日は特別にホームレスたちに、ここを開放しましょう』
と交渉を試みるが、
ステュワートの対応が原因で訴訟を起こされているのに、これ以上問題を起こしたくない館長は
ここは公共図書館だ、シェルターじゃない
…と一蹴
占拠した3階に立ち入るべく警備員がやってくるが、怪力のホームレス・ビックジョージ(ライムフェスト)が本棚を動かし、入り口を本棚で塞いでしまった。
通報を受けた市警の交渉人ラムステッド(アレック・ボールドウィン)がやってくる。
が、選挙イメージアップに余念がないデイヴィスまでやってきた上、図書館の外にはメディアが押し寄せ、新人テレビレポーターのレベッカ(ガブリエル・ユニオン)は、
警察の情報だけで憶測で報道する始末。
はたしてステュワートたちはどうなってしまうのか?
以下ネタバレです
『まさかの!』な事態に巻き込まれたステュワートなんすが
籠城した後、ホームレスたちが要求したモノは、この地域に自分たちが入れるシェルターだけ(身の安全の確保)
そうとも知らず、外野ではラムステッドは『彼らの要求は何なんだ?』と首をひねり、デヴィットは『社会の脱落者なのだから催涙弾ブチこんで強制的に降伏させろ』という。
なるべく穏便に解決しようとするラムステッドとデヴィットじゃー方向性が違うのです。
ラムステッドは別れた奥さんスザンナ(マーシー・トンプソンとの間に1人息子が居るものの、麻薬中毒になり行方不明。
息子がホームレスになってるかもしれないと方々を探している。
一方デヴィットは、圧倒的不利な市長選に立候補しイメージアップを図る為、あの手この手に余念がない。
政策秘書のハーパー(スペンサー・ギャレット)が作ったプロモ動画を見て
Not S××k
と毒づいた揚句『動画で私の人相の悪さを修正することは出来ないのかね??』とトンデモな要求までしてくる始末qqqq
デヴィットの対抗馬は、アフリカ系アメリカ人のジョーンズ牧師(リチャード・ジョーンズ)
全くもってデヴィットには勝ち目がない(爆)
演じるクリスチャン・スレーターも『お騒がせ俳優』の一人だけど、自虐ネタっぽい。
エミリオ演じるステュワートも、ラムステッドとの交渉が巧くいかない原因はデヴィットがいるからだと思い、ラムステッドにデヴィットを表に放り出せ!とムチャブリな要求をします。
大寒波の真っただ中の真夜中、上等な背広一枚で地べたに寝っ転がって、マスゴミのフラッシュでも浴びとれー!文○砲でも喰らえー!
…というつもりで、ステュワートはデヴィットを表に放り出した
がっ!
この憎たらしい男、妙にメディアなれしておるんですよ。
ブログとかで『都合の悪いコト全然書かない人』よくいるじゃーないですかqqqq
アレと残念ぶりが似てるqqqq
デヴィットは自分が表放りだされた理由?の論点をすり替えて、ステュワートはホームレスぐらい頭いかれたクソ野郎だと、カメラ目線ぶちまけるのです。
籠城がなかったら、図書館に遊びに行くハズだった、アパートの管理人アンジェラは、外から一部始終を見てて唖然茫然。
ステュワートのスマホに連絡して『アナタッ!デヴィットを表放り出したのが逆効果で、アンタ、基地外扱いされてるけど、どうなってんの!』というのです。
こればかりは、他のホームレスも『エエエエ?マジかよ!』と、ガックリ。
アンジェラは、黙ってみてるワケにもいかず、ステュワートに図書館内の様子を動画で撮ってもらい、自分のスマホに転送してくれと頼むのです。
そこからメディアに巧く流すことができればいいんですが、なんせ中継局にいるレポーターがレベッカなのですねぇ
態度も態度なので、アンジェラはステュワートから送られてきた動画を そのまま渡す事が出来ず
折角のネタがあるけど、クソみたいな女だから、やめよっかな~qqqq
…と暴言吐いてしまうのです、まぁ、アンジェラが暴言吐いてしまう理由は後から判るんですが。
ステュワートが撮った動画が中継車を通り全米ネットで公開された事により、交渉側のラムステッドや館長のアンダーソンにも館内の様子が伝わるのです。
暴れるホームレスの姿が映し出されているのではなく、本を読む者、チェスに興じるもの、好きなだけPCを使うもの、ソファーでくつろぐ者、誰もが相手を領域を侵害せず、夜のひと時を静かに共有している姿。
この姿をみても何故か、傲慢高飛車なデヴィットは『ホームレスなんて人生の落伍者だろ?』な姿勢を全然崩さないのです。
デヴィットは訴訟用にステュワートの詳しいプロファイルを取り寄せているのですが、ステュワートに窃盗などの前科があるホームレスだった事を突き止めていました。
館長のアンダーソンは、ステュワートをホームレスから立ち直させる為に雇ったのです。
薬物依存や万引き、窃盗とあらゆる犯罪を犯しても、今は穏やかな生活を送り、アパートで家庭菜園をしているステュワート。
…エミリオが作ったステュワートの人物像って、ある意味『自分の弟(チャーリー・シーン)』へ、こんな風に立ち直ってよ、という願いでもあったんじゃないでしょうか?
アンダーソンは
『図書館は民主主義最後の砦だ』
…といい、ステュワートの側に加わることを決意。
その時、ラムステッドはステュワートに、もしもその中に居たらと、1人息子の写真をステュワートに手渡します。
アンダーソンが加わった事に、ホームレスたちは不穏な空気を感じるのですが、ステュワートは
夜中だし、みんなお腹もすいてるだろうし、とりあえずピザでも頼もうか
…と場を和ませるのです。
70人+αのピザなので、届くまでの間にレベッカが独占スクープを狙い、外線を使ってステュワートにインタブーを申し込みます。
この時には、ステュワートの部下のマイラとアパートの管理人のアンジェラは外に居て一部始終を見守ってるのです。
レベッカは、紋切型?で
フェイクニュースも事実もごちゃまぜ、鵜呑みにし、ステュワートに質問。
ステュワートに前科があるからどうのこうのとか、ホームレスと籠城した理由はどうなのかとか、そんなの今どうでもいいだろ的な質問なんすが、 彼女は
貴方はどうでもいいでしょうけど、世の中の人が知りたがってる事は私が質問してる事なんですよ
…とゴリおし(号泣)
キャリア狙い丸わかりの向上心が先に立つアナウンサーに、ステュワートはジョン・スタインベック(『エデンの東』とか『二十日鼠と人間』の著者)の『怒りの葡萄』の一節を述べるのです。
怒りの葡萄出してきたか~ううううむ…。
全然気が付かないレベッカが、ポカーンとしてるのだけど、向こうでは小学校の読本の1つになっている。
1939年に発行された『怒りの葡萄』は、オクラホマの農地を追われた一家の物語でヘンリー・フォンダ主演で映画化もされた。
旱魃で農作物が取れなくなり仕事を求めてカリフォルニアに移住した一家が、同じ境遇の家族たちに出くわし、新天地では足元を見られ、給料を搾取され、命さえも脅かされる話。
保守派は猛反発し、当時、図書館が閲覧禁止にした問題作でもあります。 この映画で図書館で籠城するホームレスたちも、緊急シェルターは歩いて40分の所に行けば別のモノがあるのです。
デヴィットみたいにホームレスになった事が一度もない人間は『そこにいけばいいじゃん』と思うかもしれません。
が、ホームレスには空き缶1つ拾う、路上で寝るにも縄張りがあり、凍え死にそうだからっつーて、おいそれと、他の『縄張り』へいけないのですよ。
ホームレスになったのが『自分の責任』だとしてもです。
ステュワートはそれが判っているから、おいそれと70人の地元のホームレスを追い払えない。
何故彼らがヨソのシェルターに行けないのか?
その理由を先程の『怒りの葡萄』に出て来る一家に例えてレベッカに話すのですが、レベッカは全く理解してないのです。
わざわざアンジェラが解説してくれたのにスルー。
そうこうしてるうちに、ステュワートが頼んだピザが届きます。
ホームレスのジャクソンはデヴィットの一件や、レベッカの事があってから周りを信用できずピリピリしてるのです。
『ピザじゃなくてサツかもしれねーじゃねーか』と。
…まぁ、元をただせばそんなので、今まで人生を切り開くチャンスをフイにしてきたかもしれないし、そういう人間が70人も集まったのですが。
毎晩のようにピザを頼んでいるステュワートは、ピザ宅のニイチャンに
『Mサイズのプレーンピザの代金いくら?』と聞いて、ピザ宅のニイチャンだと確信(おいこら)して、中にいれます。
皆お腹ペコペコなので、1ピースずつシェアして、ほっこりしているのです
が!
1人の若者が、1箱無断で持って行っちゃうのです(涙)
何かに気づいたステュワートは、若者に近づきます。
以前その席で僕は座って本を読んでいた、君には待ってくれる人がいるんじゃないのかい?
なんのこっちゃない。
彼はラムステッドの息子マイク(ニック・パジック)だったのです。
ホームレス生活が長いと、それなりの暗黙のルールが身に付くのですが、そうでない若者+写真をみて確信したステュワートは親元に返すことにします。
2人が話している時に、何気に図書館のタレ幕が視界に入るように映るのですが、それが
It is easier to build strong children than to repair broken men
(壊れた大人を修復するよりも、強い子どもを育てる方が容易である)
…なんですね。
親がいちいち干渉してくるからこそマイクは離れたかったのだろうし。
その前か、後に、ステュワートは、ジャクソンに『働こうとは思わなかったの?』と聞くのです。
軍をやめてから働かなかったジャクソン。
軍にいけば一生を保障して貰えると思いこんでいた世代だから、 働く概念がない。
これって日本でいう所の終身雇用制度を信じ切ってる人じゃないかなぁ。
ジャクソンとマイクの対比は、壊れた大人と、子供の対比に見えました。
ニュースをみた時期市長候補のジャクソン牧師が、次々に支援物資を図書館に持ってきます。
ジャクソン牧師の呼びかけで、民間の人々も図書館に支援物資を持ってくるのです。
何もしてない+フェイクニュース垂れ流しの デヴィットの顔は丸つぶれです。
が、時既に遅し、ついに図書館を警察が方位し、いつでも突入出来るようになってしまいます。
SWATも到着し、いよいよ突入、と思いきや
籠城しているハズの階はスッカラカン。
で
ステュワート以下、ホームレスの皆は
全員すっぽんぽん(爆)
なのです。
おいおいマジかよ~wwww
と、突入する気が失せ、腕組みするラムステッドとSWAT隊員。
今季一番の極寒の夜、素っ裸で出てきたステュワートたちをみて仰天するレベッカが
これじゃー報道できないじゃない!
…と激怒
そりゃーそうだなぁ~ミョウチクリンにインテリぶって、フェイクニュースに流されてるから、そういう目に遭ったんじゃないの?
護送される直前ステュワートが、アンジェラに、出所してくるまで待っててくれる?という所で映画は終わります。
観終わった後の感想はというと
人に携わる専門職は事実上のソーシャルワーカーであり、心の救急隊員でもある
…という事。
先に公開された『ニューヨーク公共図書館・エクスリブリス』は日本の考える領域を超えた図書館だし
『塀の中のジュリアス・シーザー』もある意味そうじゃないかな。
日本の様に『自分を支えてくれる(もしくは褒めてくれる)人たちの為に仕事をする』とか『取引先から言われた仕事だけをする』すれば、
自分と考えや人生観の違う人たちの事はお構いなしというのではない、と思うのだ。
内輪で仕事をしてたら、どうもうまくいかなくなった、モメごとが次々と起こって解決策が見いだせなくなった、そんなときに、この映画のどこかに解決策があるかもしれないと思う。