明日に向って撃て!('69年米) | Que amor con amor se paga

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映画・本などのネタバレメインのブログです
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原題名:Butch Cassidy and the Sundance Kid

『キャプテン・アメリカ』でレッドフォードが出ていたのと、
この映画3日に放映されるんだそうで、Upしてみた。

オスカー脚本賞・撮影賞・作曲賞・歌曲賞・作品賞・監督賞・音響賞ノミネートされたったら
当時猫も杓子も観たんだろうなぁ。

レッドフォードとニューマン、監督のJ=R=ヒルの組み合わせなら、バクチ三昧の軽快な
『スティング』の方がよかった…というかオススメです。

『ボルサリーノ』の前半部分みたいで、男二人が、賭博やりながら面白おかしくチョケチョケに
古きよき時代を生きているというので、アタシなら観てて眠くならない+気が重くならないという意味で、あっちの映画をオススメするんですがww


何故か、こっちの映画の方が、放映されている回数多いんすねぇ、何故でしょ?知名度?


そんなワケで予告編(ふるいなぁ~)はこちら、あらすじいってみる



時は西部開拓時代の米国

ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)とサンダンス・キッド
(ロバート・レッドフォード)は銀行強盗を重ねるギャング二人組として名前が知られていた。

二人は強盗仲間の一人ハーベイ・ローガン(テッド・キャシディ)の
誘いに乗って列車強盗をすることになる。
これは銀行の現金輸送列車を往復で襲うというものだった。

往路は、ユニオン・パシフィックの現金輸送列車を襲撃し成功、一味はまんまと
大金をせしめる。

しかし、銀行側や警備側が黙っているわけではない。

ユニオン・パシフィックの会長ジョージ・ハリマン
(パンチョ・コトローヴァ)は、何としてでも二人を捕まえるために、
名うてのブレッドソー保安官(ジェフ・コーリー)
を筆頭に腕利きの保安官を集めてきたのだ。

翌日、復路の現金輸送車を同じ様に襲撃した一味は、現金輸送車の後続の列車に乗っていた
警察の騎馬隊に執拗に追い回される事となる。

ブッチとキッドは、その日は売春宿を経営するアグネス(クラリス・リーチマン)
に匿って貰うが、警察の目は欺けず、二人は逃亡劇を
続ける事になる。


ブッチとキッドは、ありとあらゆる方法で騎馬隊の目を欺こうとするが、向こうは
全く引っ掛からない。

草原、砂漠、岩山と逃げまくり、ついには崖っぷちまで追い詰められたブッチとキッド。

『オレは泳げないんだ!』というキッドに構っていられず、二人は滝つぼに飛び込み、
ようやく騎馬隊を巻くことに成功する。


二人はキッドの恋人エッタ(キャサリン・ロス)の家に辿り着き、そこでようやく
自分たちが何故腕利きの保安官に執拗に追いかけられているか、その事実を新聞で知ることになる。

三人は、逃げ切れないと知ると、
ブッチの提案で南米ボリビアへ行くことになる。

三人はNYで幸せなひと時を楽しみ、南米行きの船にのりボリビアへと向かった。


…といっても二人はボリビアでもマトモな仕事をするはずもなく、
スペイン語のカンペをみながら銀行強盗をするという行き当たりばったりな、
生活をすることに。

エッタからスペイン語の手ほどきをうけ、銀行強盗で暮らしていた彼らは、ある晩米国からの
追っ手が来ていることに気付く。


ブッチは、追っ手の目をはぐらかすために、まっとうな仕事に就くことを提案するのだが…


以下ネタバレです


…ここまでで既に長い+ワタシ自身この映画何度も観ているのですが、
ここまでで『なげぇ~よなぁ~飽きるよなぁ~』…です…


最初に観た時は、なんでこんなのがオスカー・ノミネーションだったのか
さっぱりワカランかった映画です(おいこら)


だいたいアカデミー賞(オスカー)ってのは、たまあに詐欺みたいな作品も
受賞するので

『イングリッシュ・ペイシェント』なんて、あんだけ受賞してますが、
傍からみたら不倫願望のあるネエチャンが投票したようにしか思えないです…
親と一緒に観にいって『映画代のムダだったなwwwww』とお互いにボソっと
こぼしたのを覚えていますwwww


そりゃ~商用じゃねぇーからハッキリ書きますがなwwwww、マニアの中には、
『アメリカンニューシネマだから、これはいいぞ』とかうんたらクソたら言って
すすめてくる人もいるでしょうが、退屈してちゃー意味ないですわwwwww


…ここまでの展開をボロッカスにけなしておいて、ネタバレに入ります。


ブッチとキッドは鉱山労働者の護衛の仕事を始めます。

でもこうした荒くれものの集まる所には、同類がまっとうな仕事をと集まってるのです。
当然ながらギャングも居ます。

初日に給料の運搬役のオヤジがギャングに撃たれ、ブッチはそのギャングを撃ちます。

鉱山でのボディーガードも、新天地での銀行強盗も米国に比べたら微々たるお金しか
手に入ってこない。

エッタは米国の華やかさが懐かしく、帰りたいといいだし、ブッチとキッドは、
もうヒトヤマ踏んだら米国に帰ろうという。


…で、古い映画あんまりみたことなくても、このシーン知ってるよ、な、この
映画のラストシーン、までのネタバレです







ブッチとキッドは、鉱山の馬とは知らず馬を奪い、食堂の少年に密告されてしまう。

二人は警官に囲まれ銃撃戦になった末に、小屋に逃げ込む

『次に行くならオーストラリアがいいな、ここと違って英語も通じるし、言葉の心配も
いらないさ』


小屋の中で拳銃に弾をこめながらブッチは、性懲りもなく、逃げる方法と


新天地にいけばいいことあるさ


…な甘い考えをヌカしているわけです。

自国できちんと成功してなきゃー他国で成功するワケねぇだろうがっ!と思いながら
観てしまうシーンです。

二人は小屋から出て行く…そこは完全包囲されているともしらずに…


ちなみに、この映画にオマージュを、そのまんまささげた映画は
『ミッドナイト・ガイズ』のラストシーン。

メガネのオッサンがクリストファー・ウォーケン、もう一人はアル・パチーノ

緊張感…ない…






それぐらい、この映画にホレこみ、
この映画と根本的に似てる映画なら、現在を舞台にしてボッコボコ作られています。

あっちもこっちも根本的にはおんなじかい!というぐらい。


『テイカーズ』もいってみれば現代版『明日に向かって撃て』だしなぁ、
強盗して暮らしてるんだから。

B級、C級、鈍作駄作あわせたらどんだけあるんだろう…


…だから、この映画『基本を作った』+『史実に基づく』という意味で
名作なんじゃろな、と。それに気付かなかったら、退屈な昔の映画です(そこのところ正直)



映画が作られた時代背景に
『ディア・ハンター』で描かれているヴェトナム戦争、
人種差別、ドラッグなど、
何をやっても権力の名の元に無力化してしまうというのが、アメリカン・ニューシネマの
特徴で、米国の影をあえて描くというのが特徴でした。


この映画も例外に漏れず、西部時代なんすが
『欲望
のヴァージニア』が
禁酒法時代を逆手にとり密造酒ビジネスをしていた兄弟の話だったのと
比較して、この話は、禁酒法の30年ぐらい前、
自分たちでビジネスをする事はわからなかったガンマンたちの悲劇も描いている。

西部のガンマンがいかにして後の世の中に生き残ったか、腕っ節だけでは生き残れなかったという事も映画の中では描かれている。


今やってる仕事や環境がまずいと考えると新天地に行けば何もかもうまくいくと考える人が居る。

今ある問題を放り投げて新天地に行ったとしても、同じ問題は降りかかってくるという事は、
ブッチとキッドが行く先々で何もかも成功せず、銀行強盗しか出来ないのを見れば判る。


ブッチとキッドの『よき日々』は、セピア色のフィルムで再現され、ラストシーンは
警察に包囲されているとも知らずに二人が飛び出していく所で、ストップしているのは、
夢をいつまでも見続けていたいと思う男たちへのせめてもの情けなのだろう。



それは
『ハートブルー』のラストシーンで、
強盗犯として捕まるよりは何十年に一度来るか来ないかという
波にのまれて死ぬ事を選んだ伝説のサーファー、ボディにも似ているし、
『ワイルド・スピード』のラストシーンで、窃盗団のリーダー、
ドミニクをわざと逃がしたFBI捜査官ブライアンにも通じるものがある。


…まぁいうなれば男のロマン…なんかも知れん…うん


この映画でサンダンス・キッドを演じたロバート・レッドフォード、御年77歳

この役を演じるまで全くの無名だった

元々この映画はポール・ニューマンと
『華麗なる賭け』などの
スティーブ・マックイーンが買い取ったそうなのだけど、マックイーンが
忙しくなって降板。

サンダンス役は、マーロン・ブランド、ウォーレン・ビーティの名前が
挙がっていたそうなのだ。

監督のイチオシでレッドフォードになったそうなんだけど、
有名どころを起用したかったプロデューサー側からは、最後までブーイングが出ていたらしい。



…そんなこんなもあるんだろうな…


レッドフォード主催の、小品系、独立(インデペント)系映画を発掘する目的で
作られた『サンダンス映画祭』は、この役名からとったもの。

映画会社というのは、本当の意味で映画監督や作品を見る目があるかどうかは疑問視
する面もあり、出演俳優が有名じゃないとか、監督に実績がないとなるとすぐにしり込みする。

その一方で、大当たりした映画監督には、アフォみたいに大金をはたくこともある。

それじゃ本当にいい映画は作れないという意味もあり設定されたものです


ちなみに今回の受賞作品は


『フルートベール駅で』でございます。


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