ハートブルー(原題名:PointBreak '91年 米) | Que amor con amor se paga

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映画・本などのネタバレメインのブログです
日常で気になったコトや動画も載せてます。


ただいま『ドリフト』公開中なのと『ビッグウェンズデイ』を先にUpしたので


こりゃUpしておかなくては!

『ハートロッカー』のキャサリン・ビグロー(ジェームス・キャメロンの元嫁)監督

この人のは骨っぽくて好きです

こういう敵味方や、本来判り合うはずのない立場の人間が、
魂でぶつかり合い、一生の理解者になるというのは

『アメリカン・ギャングスター』『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』共々、私の中で王道級に
好きな映画です


予告編はこちら、あらすじいってみる




FBIエリート捜査官ジョニー・ユタ(キアヌ・リーブス)は、カリフォルニアのベニスビーチで
銀行強盗の捜査に当たる事となった


元大統領のマスクを被った4人組が僅か90秒で誰一人傷つけることなく、
連続銀行強盗事件を起こしている・・・


ユタは先輩のパパス(ゲイリー・ビジー)と共に現地入りし、サーファーたちの仲間に
入り込み囮捜査を始めることに


彼自身はサーフィンは全くの初心者だったが、女サーファー・タイラー(ロリ・ペティ)を
口説いて教えてもらう


そんな彼が、波を操るように海原を駆け抜けていく一人のサーファーに
目が釘付けになる

彼の名はボディ(パトリック・スウェッジ)、サーファーの間でも強靭な肉体と精神の持ち主として
あがめられていた


遅々として進まない銀行強盗の捜査への苛立ちとは裏腹に、ユタは波に乗る楽しさと
サーファー仲間にだけ通じる言葉や文化にふれ、自由な生き方をするボディや
その仲間たちに、組織にがんじがらめになっている自分とは違うものを感じていた


ボディはユタに半世紀に一度だけ現れる大波について語る

『波は人間なんか本当にちっぽけなものだと教えてくれるのさ・・・』


ユタとタイラーはボディに誘われ海に出る

ふと波の上を滑り出す彼らの姿が、ユタの目には銀行強盗一味とダブって見えたのだった・・・


世の中には潰されないでいきる男と、組織の中で生きる男がいる

『ワイルドスピード』が設定をパクったんじゃないか(爆)ったらそれまでですが、『ワイルド~』が
駄作になったのは、『ファンの要望に甘えて続編を作りすぎた』からで、『パクリ』といわれようと
あの『一作目』だけにとどめておけば『名作』になったと思います(涙)


ボディはユタの生き方に全然興味ないけれど、ユタはボディの生き方があってもいいんじゃないか、
そういう風に寛容にとらえてるフシがあります

ボディやタイラーは、ユタをどう思ってたんだろうねぇ

彼の生き方、FBIを選んだ道には、おそらく全然興味なかったろうと思うけれど(涙)、
ユタが組織の中でしか生きられない息苦しさは理解しているんだろうなって


でも生き方が全然違うから『銀行強盗に加われ』という、ことしか言えない(汗)

いや、そこは違うだろうよと思うんだけど、サーフィンやって俺らの人生わからないなら
今度は強盗やれ、やったらオレたちの自由な生き方が判るというその無理強いが・・


この辺りを『ワイルド~』はもう少し判りやすく描いてますね。

ポール・ウォーカー演じるFBIの囮捜査官が、改造車を使って盗みを働く若者に、
『これだけの技術があればFBIに雇ってもらえるのに・・・』というと、
『オレたちには地位も名誉も学歴もないからムリだ』というシークエンスがある。

お互いの格差の違いが出てるのですね。

ここまで解説して、だから何?という方はよほど共感力が足らんのか、
自分の生きてきた人生のみしか判断材料にしないのかと思いますが。


ボディもユタも悩むことは共通してます

お互いの仲間内は、相手の事を全く理解しようともしない


・・・そんな苦渋の選択です

も~、あいつジャマだから殺せの域なんですよね

お互いの人間関係大嫌いというヤツです

ここまで相容れない人間のトップ同士がソウルメイトだと、悩む所ではありません


ここからはネタバレです


サーフィン仲間が銀行強盗であるか?その疑いの晴れぬまま、次の銀行強盗は発生してしまいます

ユタとパパスは犯人を追い詰めます、車から降りたレーガンのマスクをしてる男をユタが追うのですが、
それはボディだったわけです。ユタは彼を逮捕することも殺すことも出来ず天に向かって行き場の
ない気持ちを向けるかのように発砲します。

その日、ユタと同棲してたはずのタイラーも出て行ってしまいます、彼らが犯人だったワケです


当然ボディの方も、ユタを消してしまえと仲間から攻撃されますが、ボディはそれを制します

ボディはユタをスカイダイビングに誘い、その後自分たちの銀行強盗に加わることを強制します



『オレはオレのルールで生きていく、世の中のシステムにはつぶされない』



やむなく銀行強盗に加わるユタだが、90秒の完全犯罪の掟が守られるはずもない

ボディの仲間、ガードマン、パパスまでもが凶弾に倒れていく

茫然とするユタをボディは無理やり逃亡用の飛行機に連れ込み、ボディは
パラシュートで脱出しようとするが、ユタは、その身一つで空中を追いかける。


・・・それから一年・・・

ボディは大雨のベニスビーチに居た。

空にはFBIのヘリ、傍らにはユタ。今日は伝説の大波の来る日だった。
周りが制する中、大雨の海原に一人向かっていくボディ

『一生に一度だ、許してほしい・・・』

海に背を向けるユタ・・・


なんだろうなぁ


ボディの考えや哲学はユタには伝わっているのだけど、めぐり合わせが、
捜査官と強盗というのがマズかった・・・という

後、ボディは自分の考えを、判ってもらえる理解者として
やっとユタにめぐり合ったワケだけど、ボディはユタのことは
自分のペースに引き入れようとはしたけど理解はしてないよねぇ、と

その結果、お互いに犠牲者もでてしまったし

ボディは、ユタに甘えてたかもしれない。心の懐といえば言葉がおかしいかも
しれないけれど、そういったものを委ねられる相手だったのだろうと。

カリスマや伝説なんて
いわれたら自らに背水の陣をひき、心から誰にも甘えることもできなかったろうから。


やはりそれを考えると、後に刑事とマフィアから、弁護人と事業者という関係になった
『アメリカンギャングスター』の方が救われますね








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