そして友よ、静かに死ね(原題名:Les Lyonnais '12年9月 テアトル梅田) | Que amor con amor se paga

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映画・本などのネタバレメインのブログです
日常で気になったコトや動画も載せてます。


2000年に入ってからの男の金字塔映画ってと

『アメリカン・ギャングスター』
『あるいは裏切りという名の犬』なんだな

相反する、判り合うはずのない男二人が、ぶつかりあう運命をシニカルに描いた映画。

『あるいは~』の監督が描くマフィア映画たら観ないワケにいかないワケで(こら)


ゲ○の名監督メルビルがドロンを主演に描いた『仁義』が好きなら、この映画ハマると
思います(お前がそうなんだろうよw)


予告編はこちら、あらすじいってみる






伝説のギャングとして一時代を築いたエドモン(ジェラール・ランバン)

今は還暦を迎え、妻ジャヌー(ヴァレリア・カヴァッリ)や、子供たちと穏やかな日々を過ごしている

しかし昔は共に派手に強盗事件を繰り返した仲間・セルジュ(チェッキー・カリョ)が13年の
逃亡の末、暴力団担当刑事ブロナー(パトリック・カタリフォ)に逮捕された事を知り、ギャング仲間、
クリスト(ダニエル・デュバル)や、ダニー(リヨネル・アスティエ)は、セルジュを助けようと
相談を持ちかける


愛する妻に、もう足は洗ったと約束したエドモンは『あいつは自業自得だ』と
かつての仲間が言い寄っても一度はつっぱねた

しかし、セルジュはエドモンがロマ(ジプシー)の子で差別されていた時代からの親友で、
サクランボ一掴みを泥棒して半年ブタ箱に入れられたときから、ずっとシャバとムショを往復してきた
仲だった

さくらんぼ一掴みだけで重刑になるのは、黒人の有名人というだけで終身刑を追わされた
『ハリケーン』と同じ、人種差別なのだろう


刑期を終えた二人は、社会に怒りをぶつけるように、次々と銀行強盗をやってのけ、
その姿は、反社会的かつ周りを巻き込まないアンチヒーローぶりから、『リヨンのやつら』と
世間は褒め称えた


しかし再び捕まり、10年の服役の後、エドモンとセルジュは違う道を歩むことになる

セルジュは強盗業から足を洗い、セルジュは今まで道義上引き受けなかった汚い仕事にも
手を染め出すようになり、エドモンはますます、この業界から離れ、二人の距離は離れていくのだった


そうやって13年の歳月が過ぎた時に起こるのがこの映画である


セルジュは、麻薬取引をスペインのゼルビブと組んでやっていたのだが、裏切って逃げてきたのが
判ったのだ

となると、セルジュは警察が逮捕してもゼルビブの一味が彼を殺しに来るのは目に見えている


そんなアホでも皆が昔の仲間だから助けようとするんだよな

何でって、思うんだけど


最初はエドモンが警察の囮になり、セルジュを自然に逃がそうとするのだけど、
セルジュの義理の息子(娘のダンナ)カルロ(ダヴィット・カメロ)が
余計なコトをするものだから、事態がややこしくなって被害がエドモンにまで
降りかかる。


それだけならまだしも、エドモンたちの動向はゼルビブだけでなく、ブロナーにまでバレている


どういうことなのか…


セルジュは自分を逃がす見返りにエドモンを『売った』ということなんだな。

それが最後の方になってバレるのだけど


結構こういうパターンは、他の映画でも多いのだが…


キレイ事で世の中食っていけんわというけれど、昔の仲間を売った
事実を家族にも隠しているという。

そんなかつての友に、拳銃を渡すエドモン

銃弾は一発しか入っていない、ムダにするなと


その拳銃でエドモンを撃つことも出来たかもしれない、でもセルジュは自殺する

もうどこにも逃げ場はない


映画はそこで終わる


原作者のエドモンは撮影現場にも足しげく通い、俳優やクルーとも打ち解けた様子だったそうな

これもギャング映画をきめこまやかに描くオリヴィエ・マルシャルの手腕を
かっているともいえるんだろうなと


全体的に色調もおさえ気味でよかったし


音楽は'70年代を意識して、ディープパープルやジャニス・ジョップリンが
流れてくる所もありますね




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