冬の兵士~イラク帰還兵が語る戦争・母さん僕は人を殺した~ | Que amor con amor se paga

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イラク帰還兵が集まる会がペンシルバニアにあるという
米退役軍人省によるとイラクやアフガニスタンから帰還した約110万人の兵士のうち、約13万人がPTSDになり治療を受けている
大量破壊兵器はイラクにはなく『大儀なき戦争』によってイラクに深い淵は生まれた。

NYから車で一時間、フィラデルフィアで降り、1階はピザ屋、2階は貸しスタジオになっている。
2階の貸しスタジオがその『会の集まりだった
彼らを支援する人たちと、元海兵隊(ネイビー)がいる。

ここは『反戦イラク帰還兵の会』の集会所だ。

IVAWでは
『自分を癒すための作業として戦争体験をありのまま書くことを学ぶ、その前に自分自身をdicontruct(解体)してから、recontruct(再構築)することを学ぶ』
自らを立て直すは自分しか居ないことをわからせる作業なのだ

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この本はイラクから帰還した元兵士の証言を集めた証言集である

証言をまとめた一人、ホセ・バスクエズさん(写真:'10年現在36歳)は『反戦イラク帰還兵の会(IVAW)』の一人で苛烈なまでの帰還兵の証言を聞き取っているうちに一時期欝になった
『彼らの苦しみが自分に乗り移ったようで、とてもしんどい作業だった』という。

とあるイラク兵士はこの本の中で、こう語っている。

'06年、家に帰る途中の何の罪もないイラク人を撃った、イラク人は死なずにわめき彼の目をまっすぐに見つめていた。
『このままじゃまずい』気がついたらとどめを指していた
『自分は怪物だった』そう話す彼は、戦場で拾ったイラク人の鼻など顔の一部をヘルメットの上に置き記念写真を撮った、彼と同じ部隊の兵士の車の座席にはイラク人の脳みそが飛び散っていた・・・
彼は今、証言集でうつってる写真の様に隆々としていない、やせ細り、哀しみに満ちている。

『最近は午前3時におきて詩をかいています』
彼はそういっていた、その一節がこれである。
『あなたは人を憎むことなんか決して教えてくれなかった、ただ愛することだけ教えてくれた。でもね、母さん、僕は人を殺しました・・・心が痛むんだ、母さんそのことを今も毎日覚えています』


『精神的な拷問』と彼自身が呼ぶ強い自己否定に長い間とらわれ続けた彼は詩をかくことで表現をみつけた。

彼だけではない、米軍は『奨学金がもらえる、生活が楽になる』という甘いエサを吊り下げて若者を理不尽な目的の戦争にかりだす

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NYの学校に通っていたジェイソン・ウェイン・レミュー(写真)は パワーリフティングと音楽が好きなどこにでもいる 高校生だった。
海兵隊に入れば向こう4年間楽な生活が送れると聞き
入隊をきめた。 父親がベトナム戦争で海軍にいたのも後押しした

しかし戦地に向かった途端、彼らを取り巻く環境は
激化する。
当初は
『自衛の場合を除きモスクや民間施設を 攻撃してはならない』と定められていた規則は『路上にいるイラク人は皆殺しにせよ』に変わっていた

『自分は何のためにここにいるんだ』
レミューはもがき苦しんだ、欝になりながら、650日イラクで戦い続けた。
『僕たちを戦場に送ったブッシュにいつも腹を立てていた。アメリカの尊厳を傷つけているとしか思えないからだ』欝に苦しんだレミューは海兵隊を辞め、コロンビア大で国際関係論を学んでいるクラスメートはエリートでリッチな輩ばかりだ。
イラク戦争に行ったというと
『ワァーオ!』『Pretty Cooool(かっけぇ!)』
そんな風に軽く言われる。こんな米国に誰がした、許せない

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ロンドンから電車で1時間ほどの街で工場の派遣労働者として働くベン・クローズ(写真)もまたイラク帰還兵だ
高校生の頃はサッカーや女の子と遊ぶのがすきな普通の男の子だった'05年から'08年までイラクやアフガンで戦ってから全てが変わった
普段、自分に食料を売ってくれたイラク人が突然銃を向けてきた。自分が撃たれて初めて『お前が敵だったのか』と判るようになったという。
帰国後、不眠症になり大酒をかっくらい妄想に苦しみ、PTSDと診断された。
クローズは戦争を振り返ってつぶやく
『なんて多くの人がムダに死んでいったんだろう』と

平和な日本で、つまらないことでグダをまいてる輩を見るとアホらしくもなる。