ソーシャルネットワーク('11年TOHOシネマズ梅田) | Que amor con amor se paga

Que amor con amor se paga

映画・本などのネタバレメインのブログです
日常で気になったコトや動画も載せてます。


いやはや、観にいってから2週間、どんな風に書こうか悩みました。





ハーバードのコンピューターサイエンス専攻2年のマーク(ジェシー・アイゼンバーグ)は
高校時代からの腕利きのハッカーだった

しかしその人付き合いたるや惨憺たるもの

資産家の息子でルームメイトのエドゥアルド(アンドリュー・ガーフィールド)が唯一、彼に
生きる術と世の中のものさしを教える存在だったが、彼の言うことにも耳を貸さない。

エドゥアルドを演じるアンドリュー、二代目『スパイダーマン』に抜擢されているらしい。

前作のトビー・マクガイアとジェームス・フランコをあべこべに混ぜた顔をよく探してきたなぁ



マークはガールフレンドのエリカ(ルーニー・マーラ)にこっぴどく振られた後、
怒りにまかせて、あっという間にハーバードの女子寮の名簿をハッキングし
女子ランキングサイト『フェイスマッシュ』を作り上げて、全女子生徒を敵にまわしてしまう。



2時間で22000アクセスになり、学内サーバーを違法にパンクさせたとして、マークは
半年の観察処分を受けたが、反省の色も見せない



本人自身、どうして『フェイスマッシュ』がバカウケした理由を考えていた。
そうか、これは『身近にいる女性のランキング』だったからだ。
ネット上で社交場を作ろう、学内のファイナルクラブの様に排他的でなく、
誰でも参加できる社交場にしよう、ファイナルクラブからの招待状も届かないマークと
何とかしてファイナルクラブの一つ『フェニックス』に入ろうともがくエドゥアルドが
考えたアイデアだった。



しかしここにウィンクルボス兄弟
(アーミー・ハーマー)が絡んできたことから話はねじれこんでくる

ボート部に所属し、ハーバードの中でも最も排他的かつブルジョアな
ファイナルクラブ、ポーセリアンのトップにたつ二人、人生でうまくいかなかった事は
一つも無かった。

マークをポーセリアンの事務所の自転車置き場に呼び出し
『ハーバードだけの交流サイトをつくろう』ともちかけた。
あくまで彼らはハーバードのネームバリューにこだわり、排他的でもあった。
マークが求めるものとは違う。

が、マークの対人関係スキルのマズさがここに出てしまった。

曖昧な形でウィンクルボス兄弟の要求を形上『のんだ』ことになり、
兄弟をおこらせる結果となってしまう。



エドゥアルドはマークの意見に最初からついていった上、彼が
インターネットの交流場として開発した『フェイスブック』を開発する時にも
アルゴリズムを書き、資金提供もおしみなくした。

・・・というか映画の中のマークをみると
『資金提供してもらうのは当たり前』な態度で厚顔無恥にエドゥアルドの
お財布を自分のもののように使ってるあたりにムカっときてしまう。

後にマークにはアスペルガーの疑いがあるんじゃないかといわれているが、
こりゃぁ100%重度のアスペルガーだ



やりたいことをやって、くかーっと寝てしまって、エドゥアルドをどしゃぶりの雨の
空港の中に13時間もほったらかしにして『約束わすれてた、ごめん』とも
いわず『アイツはNYにインターンにいってるから』と平気でしゃあしゃあとウソもつくが
本人には悪気がない。

パンフに5億人の友達は数人の身近な敵なしに出来なかったと
キャッチが書いてあるが、彼は自分で墓穴をほって誰が大切なのか
判らないだけだと思う



最初フェイスブックを立ち上げたときに学生が650人も登録したと知った
ウィンクルボス兄弟は『これはヤツに作ってくれと依頼したものだ!
アイデアを出したのはオレたちだ』と『知的財産の盗用』として
訴訟を起こそうとするんだな。

マークがたった一言自転車置き場につれていかれた時点で
『興味ありません自分でやりたいことやりますさようなら』って
いっておきゃーこんなことにならなかったものの



フェイスブックが学外進出するときも資金元になっているエドゥアルドは
儲かるかどうか心配だった。

フェイスブックにコマーシャルをいれればいいんじゃないかと提案すると

『ポップアップなんてだせー』と一蹴するマーク

おいっ!お前は誰のおかげで今までここまでこれたんだ?

傍でオカーチャンのように小遣いくれたこの男のおかげだろう!この恩知らずのパンチパーマのもっさいヲタ野郎め!
ここまで言いたくなる



そこに現れたのが、ちょいオサれなナップスターの創立者ショーン(ジャスティン・ティンバーレーク)

女、酒、ヤクにヤバい上、無料音楽配信サイトを立ち上げてお縄になったこの男が、
トンビにあぶらあげ状態でやってきた

マークとエドゥアルドが初めてショーンと出会った時、ショーンは9割方自分の話をして最後に
『フェイスブックはクールでいかなくちゃ、広告なんてだせー』とブチかます。
ダサい男よ!ワイルドでオサレで口の上手い野郎に気をつけろ!とまたまた画面みていいたくなる。

ショーンはマークのコンプレックス全てお見通しだった。

自分もダサイモキモヲタだった、女のコを見返してやりたくて今こんなことやってるぜと。



が、マークはここでチョっとだけ引っかかっていた、ショーンは成功して、『昔えたかったもの』は
全てうしなってしまった

オレは違うぞ!

・・・がショーンのまくし立てはただもんじゃない、あっちに投資してもらえこっちに投資してもらえと
まるでかつてのホリエモンみたいにぎゃぁぎゃぁまくしたてる



あっちこっちの投資家から投資してもらうことで、会社は大きくなっていったが、それと同時に
エドゥアルドが初期投資した財産・・・株価の希薄化は始まっていた。

彼の投資価値が殆どゼロの状態になっていたのだ。



冗談じゃあない。

あいつに人間としての常識教えてるのはオレだ、オレにも未熟な面はあるが、
それを指摘されるほどでもねぇっ!



ショーンがコカイン所持でブタ箱にブチこまれエドゥアルドとウィンクルボス兄弟に告訴された
マークはどうなるのか



『ラスベガスをぶっつぶせ』のベン・メズリックが原作を書き『ア・フュー・グッドメン』の
アーロン・ソーキンが脚本『ファイトクラブ』や『セブン』のデヴィット・フィンチャーが
監督・・・とあって好きなもん勢ぞろいのバイキングにきた感じの映画だった



色んな意味で考えさせられる映画でもあるし、頭を使ってみる上、掘り下げると
面白い映画だと思う



マークは質問の意味を何度も問いただし、自分の関心事だけをまくしたてる、変わりものだ。

こういう描かれ方をしても不平不満は何もいえない立場であろうはずなのに、
彼はどさくさ紛れに『映画とリアルのオレはちがうんだせ』とのたまってる。おかしな話だ

その態度こそが、この映画で描かれているように『貴方の人間関係のスキルのマズさに問題あり』というわけで

原作者のベン・メズリックが原作本を書くときもマークは取材を断り続けている、
後から文句たらたらなんてどんな成功者であろうとも、男としてはグズだろう



ショーンの存在もトンビに油揚げ状態だ

本来ならマークがエドゥアルドの存在をきちんと説明し大事にしなければいけない。
が、人間関係の優先順位が自己中なマークには判らない

エドゥアルドがスポンサーさがしをしている間にショーンがビジネスを仕切っている姿に
烈火のごとく怒ったエドゥアルドに会社の口座を凍結されても文句はいえまい

フェイスブックを作るに当たって
エドゥアルドは『人のためになることをやろう』としてやっていたから、あそこで考えが止まってしまった。
マークは『もっと面白いものをつくろう』として彼を犠牲にするはめになった。

人のためになるという概念はマークにはない上必要でもある。マークの周りでエドゥアルドを生かす方法を
教えてくれる人間がいなかったことから悲劇が起こったかもしれない



パソコンの前に座ればリアルの嫌いな自分から逃れられ作り物の自分にはやがわりできる、
そういう人たちに監督デヴィット・フィンチャーは何度も『本当の大人になるための荒療治』の
映画を世におくりつづけていた。



そうした意味では自分と正反対の男のはすが・・・というオチの『ファイトクラブ』も
この映画を見る人にとってはクギをさすいい材料になるだろう


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