夫婦の問題解決スキル「解決のサークル」 | 選択理論マニアのためのトリセツ

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心理カウンセラー渡辺奈都子が選択理論に関するマニアックな気付きを書いているブログです。

こんにちわ。
選択理論マニアの会 代表のnatsukoです。


カウンセリングの臨床演習を担当して
みなさんのロールプレイを拝見していると、気付くことがあります。


それは、何か問題が生じていることに対して、

「もう一度、話し合われてみてはいかがですか?」

と、【話し合いを勧めてしまう】ことが多いこと…・・・



確かに、私たちは問題を解決するために
話し合うという行動アイテムは重要なわけですが、

もしも

話合いが上手に出来るくらいなら
ここ(カウンセリング)には来ていない

ということ・・・


なんですよねえへ・・・




グラッサー博士は、
組織(グループ)の中で問題が起こったとき、
特に、夫婦の間で問題が起こったときの有効な話し合いの方法として

解決のサークル

という方法を教えて下さっています。


解決のサークルは、以下の通り。
(『グラッサー博士の選択理論』より抜粋)


1.自分たち(両者)が、
一緒に大きな輪の中に入っていると考える。
(床の上に、想像上チョークやマジックで輪を描いてみると良いペン


2.二人は椅子を持ってこの輪の中に入る
?ヨイショヨイショ…椅子


3.この輪(サークル)の中には、夫、妻、そして
「(幸せな)結婚さん」という三者が入っている。
(この擬人化した三番目の方(?)は、その組織(グループ)の共通の上質世界 キラキラを意味します)


4.この輪の中では、
「(幸せな)結婚」が優先されることを両者が同意する。
(つまり、それぞれがどうしたいか?ではなく、「幸せな結婚さん」は何を望んでいるかを考えるsei


5.(意見の相違があることは始めから分かっているが)この輪の中では
「幸せな結婚のために【自分は】何をするか」のみコメント出来る。



選択理論マニアのためのトリセツ-解決のサークル1

6.もしも自分の分を超えて、相手に対する要求を口にした途端
このサークルの外に出てしまうことになって・・・げげ


選択理論マニアのためのトリセツ-解決のサークル2

・・・・もはや「話し合い」ではなく「喧嘩」の状態でしょう。




「話し合う」といいながら、
なんとか表現を変えて、「相手をコントロールしてやろう」としている
このような状態になるわけです。


そんなことを続けていれば、きっと相手はそのうち、
話し合いのテーブルにつくことさえもしなくなるでしょう。walk*



また、グラッサー博士は、
最初の話し合いで、どうしても妥協点が見出せなかったら

「今の時点では自分が求めているものは、この結婚よりも重要に感じる。
今日はもうこのサークルから出ることにするけど、
明日(数日後)、もう一度話し合うことにしない?・・・」

と言って、数日熟考する方法(試練)もあるうん、と書かれています。

これは、どちらかが感情的になってきたときの
タイムアウトのようなものかもしれませんね。






この解決のサークルって、
こうやってみると、なんだかとっても高度なことのように思えますよね…


でもお互いが相手のことを思いやって良い関係を築いていこうとしていた頃は、
こんなサークルを描かなくとも、自ずとこれに似たことをしていたはずなんです。
(つまり、出来るってことです…そうか…。



解決のサークルとは、

どちらかの願望を優先するのではなく、
両者の共通の願い(幸せな結婚)を大切にするための歩み寄りの方法

です。



結婚関係が傷ついているにも関わらず、
どちらか(または両方)がこのサークルの中に入ることを拒否し続ければ

その結婚は大量の血が流し続け、そのうち致命傷を負う・・・

ことになります・・・。(泣)



このサークルの中に留まることは、傷ついた結婚ばんそうこうを救うという選択で、
相手に対する外的コントロール を手放していることを意味します。


解決のサークルに入るというのは
自分の正しさ(と思ってきたもの)を見つめ直す機会なのかもしれません。



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