『仏教用語としての「お念仏①」』 | 浄土宗長福寺のブログ

浄土宗長福寺のブログ

埼玉県深谷市の浄土宗長福寺のブログです。おもに『今月の言葉』を毎月1日に公開します。

 今月より、基本的な仏教用語について、できるだけやさしく解説していきたいと思います。今回は、「お念仏」についてお話していきます。なお、『新纂浄土宗大辞典』を引用・参照しています。私も浄土宗の僧侶でありますので、所々、浄土宗からの目線でお話しております。その点、ご了解をいただいたうえで、ご覧ください。

 

 ねんぶつ【念仏】仏を念ずること、憶念すること。仏の相好や功徳を心に想い念じることは、観念の念仏といい、仏教一般において重要な行法として展開する。浄土宗における念仏は、南無阿弥陀仏と六字の名号を声に称えることである。(中略)

 概して言えば、日本天台の教行としての念仏は、観想の念仏で仏・菩薩・浄土を想い観ることで、源信の『往生要集』では観勝称劣、すなわち、観察(想)

念仏が勝れ称名念仏は劣るという論点がある。しかし、法然は『一枚起請文』のなかで「観念の念仏にもあらず」と強調し「ただ往生極楽のためには、南無阿弥陀仏と申して…知者の振る舞いをせずして、ただ一向に念仏すべし」(聖典四・二九九/昭法全四一六)と、往生行としての称名念仏を説く。これは、無観称名の念仏である。

【新纂浄土宗大辞典 1191P】 

 

 まず、「お念仏」について見ていきますが、お念仏には、2種類あります。一般的には、念仏というと仏さまの姿やその功徳を心に思い描く「観念の念仏」のことを言います。それに対して、浄土宗では、極楽往生のための「お念仏」として、「称名念仏」を説きます。これは、法然上人が阿弥陀様による選択された本願によるお念仏であることからきております。詳しくは、来月お話します。

 今月は、「お念仏」には、二種類あることを知っていただければ幸いです。

合掌